text by mizuiro
edit by GAMEZINE
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配信サイト「アフリカTV」がスポンサードを行う、韓国のLoLプロチーム「Afreeca Freecs」。
今回、その監督を務めるKang Hyun-jong氏にチームの状況や監督業について語って頂きました。
インタビューア:mizuiro
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――2015年12月に「Rebels Anarchy」のメンバーを引き継ぐ形で設立された新しいチームということですが、現在のチーム雰囲気はどうですか?
League of Legends Champions Korea (以下、LCKと称す)のSpring Splitは5位で出終わったんですが、かなり良い雰囲気です。
Semmer Spritも期待されるチームと認識しています。
――監督は今まで「CJ Entus」でも監督業を務めており、そこからの移籍ということですが、経緯など教えてください。
韓国国内最初のLoLチーム「MIG」というチーム結成する際に監督して活動しました。
2012年に「Azubu」に移籍し、World Champion Shipで準優勝した次のシーズンである2013年に「CJ Entus」に移籍しています。
「CJ Entus」監督時代に、オーナーや担当者が変わったことにより方向性が違ってきてしまい、移籍することを考え始めました。
移籍先は外国のチームも含めて考えていて、日本の強豪チームも候補の一つでした。e-Sports SQUARE AKIHABARAまで視察に行ったこともあります。
そんな中、「Afreeca Freecs」から直接オファーを受け、監督を引き受けることにしました。
元々あった「Rebels Anarchy」というチームを引き継ぎましたが、新しく一つのチームとして仕上げていく必要があり、それには「MIG」時代に培ったノウハウが活かせると思いました。
――LCK Spring Splitにて5位という成績でしたが、Summer Splitでさらに上位を狙うために、何か現在考えていることはありますか?
LCK Spring Splitは選手とコーチが初めて出会ってから間もなく、お互いを”知る”期間でした。
Summer SplitはもちろんWCSを目指しているチームなので、戦略的な戦いをしていきたいと思っています。
――プロゲーミングチームの”監督”という役目はどのようなことを行うのでしょうか?
主にゲーム以外のコーチングをすることが多いです。チームのスケジュール管理、選手の健康やメンタルの管理を行います。
韓国では10代の後半からプロゲーマーを目指す人が多いので、ゲーム以外の人間性、教養、知識などを身につけないまま、プロゲーマーになる人が多いです。
「Afreeca Freecs」では、それを教えるのが監督という業務だと思っています。
ゲームのことでは、LCKの試合時にBAN&PICKのやり方も教えることがあります。
韓国では、会社に出勤するように監督業を行っている人もいるが、選手と一緒にゲーミングハウスで暮らしながら、生活を送っています。
家庭を持っている監督は難しいと思いますが、家庭を持っている状況ではないので選手と一緒に暮らすことができています。
――選手たちと暮らしているとトラブルも色々ありそうですね。
もちろん色々トラブルは発生します。その時に交通整理をするのも監督の役割と思っています。
体調が悪くなった選手のケアや、ゲーム内でのトラブルとか理解をして、説明をして良い方向に導いていくというのも監督の役割だと思っています。
――試合に向き合う選手に対して「どうなって欲しい」というを意識で指導をしていますか?
ゲームももちろん重要ですが、私は特にゲーム以外のことを重要視しています。
具体的にいうと社会性やチームワークです。
ゲームしかしていなかった選手もいて、個人主義的な傾向が強い選手もいるので、社会の中でどのように行動しなければならないのか、社会性を伸ばしていこうと思っています。
いつも選手たちに強調しているのは”社会性”や”団体の中での自分の位置づけ”というものです。
もちろん、すべてのプロゲーマーがそういう傾向ではないのですが、そういった良い方向に導いていくことも監督やコーチの役割ではないかと思っています。
――選手たちが試合に勝つためにはモチベーションがすごく重要だと思いますがどのようにコントロールしていますか?
モチベーションを保つためには”チームワーク”が重要だと思っています。
野球に例えると投手がいくら頑張っていても打者が打たなければ勝てません。
なので選手に余裕があるときは、他のチームメイトのことをフォローするように指導をしています。
今まで”チームワーク”という単語を使ってきましたが、具体的に言うと「共に何かを成し遂げるために信頼すること」が大事だと思っています。
チームの目標を成し遂げるには信頼と配慮が大事だと思っています。
――「Afreeca Freecs」に日本の選手を所属させることも考えられますか?
eスポーツの特徴はゲームをプレイする上で言語の壁があまり無いことです。
なので良い選手がいれば、日本の選手でも「Afreeca Freecs」の選手として所属することは、可能性は0ではないと思っています。
日本のチームを視察した時に感じたのですが、日本人は礼儀がしっかりしている印象があります。
また、教わるときの姿勢に驚きました。話している言葉がわからないにも関わらず、眼差しは真剣で話を聞こうとするのです。その姿勢はポジティブに考えています。
ぜひ、良い選手がいたら紹介してください。
――日本のeスポーツ事情はどのような印象をもっていますか?
個人的に幼いころから日本は行ってみたい国の一つで憧れでした。
日本はコンソールゲーム機が強いという印象があります。
格闘ゲームの人気をみると、インターネットの設備とか改善しなければならないが、可能性があると感じました。
ゲームスタイルは各国で様々なスタイルがあると感じています。
日本で人気を得たゲームは日本のスタイルが出てくると思っています。繊細なプレイスタイルという印象です。
――日本のLoLの試合は見た時の印象はどうでしたか?
正直なところ、日本のプロチームはまだまだ勉強が必要だと思います。
韓国のスタッフや選手が日本に来ているとも聞いています。
LoLに関して韓国がある程度影響力を持っている国家なのが現状です。日本はそれを吸収して日本スタイルを伸ばしていくのが課題と思っています。
アジアの日本や韓国がお互いのスタイルを伸ばしていくのが良いと思っています。
日本にはゲーミングハウスを持っていないチームもあると思いますが、「MIG」で活動していた頃は同じか、それ以下の環境で、その頃の状況と重なります。なので日本のすべてのLoLチームを応援したい気持ちでいっぱいです。
強く印象に残った言葉は「重要なのは”社会性”や”チームワーク”」という言葉です。
これは、ゲーミングチームだけに言えることではなく、社会に出ているすべての方に言えることではないかと感じました。
こんな「理想の上司」がいる「Afreeca Freecs」のLCK Summer Splitには期待せざるおえません。
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