人気eスポーツチーム「ZETA DIVISION」が全面的に監修するeスポーツ産業に特化した人材育成スクール『ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN』が、2027年4月に開校する事が発表された。

詳細
https://www.vantan.co.jp/zetadivision/

 

登壇者
・GANYMEDE株式会社 代表取締役 西原大輔
・GANYMEDE株式会社 執行役員 事業開発部 部長 千葉哲郎
・株式会社バンタン 代表取締役社長 木村良輔
・ZETA DIVISION コンテンツクリエイター crow

開校発表会・スクール紹介

まずは、GANYMEDE株式会社 代表取締役・西原大輔氏が登壇。開校にあたっての挨拶とともに、ZETA DIVISIONを運営するGANYMEDEの取り組みや事業内容、ZETA DIVISIONのチーム紹介が行われた。

続いて、バンタン株式会社 代表取締役社長の木村良輔氏が登壇。VANTANの取り組みとともに、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」というビジョンをeスポーツ領域にも広げていきたいという想いが語られた。

最後に、GANYMEDE株式会社 執行役員 事業開発部 部長・千葉哲郎氏より、開校の経緯とスクールの概要、カリキュラムが紹介された。ZETA DIVISIONが培ってきた現場レベルの実践的ノウハウを、どのように教育へ落とし込んでいくかが説明された。

司会はeスポーツイベントでお馴染み、篠原光 氏。

特別授業(トークセッション)レポート

続いて、特別講義と題して、GANYMEDE代表・西原氏と、ZETA DIVISION クリエイターのcrow氏によるトークセッションが行われた。

(以下、敬称略)

■設立の経緯は?

篠原:ゲーミングアカデミーと聞くと、まず選手やクリエイターを育てるイメージがありましたが、どちらかといえば裏方を育てることにフォーカスしていることに驚きました。どういった意図があって設立されたのでしょうか。

西原:eスポーツコミュニティの中心にいるGANYMEDEとして、現状、人材不足を感じているのが大きな理由です。もちろん選手の育成にも力を入れますが、私個人としては、裏方の育成を目指したいと思っています。

■VCT 2022 Masters Reykjavíkから4年。crowさんから見るeスポーツ業界の変化は?

篠原:crowさんは当時、選手としてVCT 2022 Masters Reykjavíkに出場されていましたが、当時と今のeスポーツシーンの変化についてはどのような体感がありますか?

crow:当時はとにかく勝つことに集中していたので、応援してくれている人がどれだけいるのか、大会一つ行うのにどれだけの人数が携わっているのか想像できなかったのですが、イベントなどでお仕事させていただくようになるにつれ、徐々にその実感が湧いているところです。

篠原:ありがとうございます。西原さんとしてはいかがでしょう?選手としては勝ちに集中してくれれば良いのでしょうか?

西原:最初はそれでいいですが、多くの大人が裏側にいるんだということを知ることも重要ですね。今回設立するアカデミーは、プロやストリーマーを目指す子も、それを支える方向に進む子も、1年目に幅広く学んでもらい、裏方を知ってもらえるカリキュラムになっています。どちらに進むにしても、キャリアを積んでいく時、業界や大人の事情がわかってもらいやすいのかなと思っています。

■業界の内側から見る、eスポーツの過去と現在

篠原:業界を牽引してきた西原さんの目線で、今のeスポーツ業界はどのように見えているのでしょうか?

西原:昔と比べると、ALGSのように日本で世界大会が行われたり、ZETAのストリーマーのイベントでも集客が増えていたり……様々なエンタメがある中で、配信含めたゲームコミュニティのサイズ感は年々拡大していると感じています。

6年前は8畳くらいのワンルームでブートキャンプをしていて、オーナー陣は席がなかったので別の場所でリモートで仕事をしていましたからね。当時から考えるとすごい世界になったなと。

一方、まだまだ広げていける余地はある。今こうして発表会に集まっている皆様も、このコミュニティの面白さや熱量みたいなものはわかってくれていると思うので、それをもっと広げていきたい、むしろ今がスタートラインなんじゃないかくらいに思っています。今回のスクール開校が、業界の盛り上がりを後押しする一歩になれば良いなと思います。

篠原:そういったスタッフなど裏方の熱量や盛り上がりを、選手目線で感じることはありますか?

crow:感じていますね。特にオブザーバーは選手上がりの人が多くて、ゲームにも詳しくて明らかに見方が違うスタッフさんがいたりとか、そういった熱量は選手時代にも伝わっていました。

オフィスでブートキャンプしながら大会に参加している時に、西原さんがガラス1枚越しに応援してくれていたこともありました。優勝した瞬間、すごい顔して雄叫びをあげながら部屋に入ってきてくれて(笑)。それだけ喜んでくれると勝ててよかったなって思うし、糧になりますね。

※ここからは、入学を希望する学生たちからの質問にお二人が答えていきます。

Q:業界で活躍するために最も重要なこと、今からでも身につけておいた方が良いことはありますか。

crow:選手としては、強さだけでなく、応援してもらうため、ファンをつけるために工夫することは重要だと思います。自分自身、昔はファンを増やすためのコンテンツ作りは苦手だったのですが、いかに応援してもらえるかが重要だと実感してから積極的に取り組むようになりました。自分でも大きく変化した部分だと思います。

西原:社会性ですね。先ほどcrowが言っていた「ファンをつけるための努力」も、ある種の社会性ですから。
GANYMEDEの掲げているミッション・ビジョン・バリューの中に、「好きに忠実であろう」というものがあるのですが、これは「やりたい事や信念があるから、やりたくないことも頑張れる」という側面も含まれていると思っています。信念があれば社会性も伴ってくると思うので、まずは「好きに忠実」であってほしいです。

Q:業界で需要が高いお仕事は?

crow:クリエイター目線だと、動画編集者の不足は感じていますね。自分自身も、知り合いの選手やクリエイターも、良い編集者を見つけるのには苦労しています。

西原:専門技術、ゲーム理解、競技シーンへの理解、担当するクリエイター個人への理解など、全てセットで持っている必要があるので、ハードルは高いですが、求められている人材ですね。

Q:選手/ストリーマーとしてプロチームや業界に入るために必要なことは?

crow:西原さんの言っていた「社会性」にも通ずる部分はあると思いますが、チーム戦は何より人間性が重要ですね。様々なチームゲームのチームビルドに共通する、絶対に外せないポイントだと思います。

西原:crowと同じで、人間性ですね。毎日一緒に切磋琢磨するなら当然、人間性・社会性の高い人がいい。スタッフの採用でも、書類上のスペックだけで決まるわけではなく、最終的には面談を通して人間性の部分を見ています。
選手で言えば、僕たちが応援できる人かどうか、マネージャーが身を削って支えたいと思える人か、という点ですね。巷でよく議論されている理想のロスターが実現しない理由も、人間性や相性という、外からは見えにくいパラメータによるものが多いですね。

フォトセッション

最後にフォトセッションが行われ、発表会は終了となった。

 

編集記

今回発表された『ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN』。
プロチームとしても国内トップクラスの実績を誇り、the k4senやLEGENDUSといったストリーマーのイベント制作にも積極的に取り組んできたGANYMEDEおよびZETA DIVISIONが全面監修を担っている点は、大きな安心感と信頼性につながっているだろう。

また、eスポーツ業界やイベント制作の現場を熟知しているGANYMEDEだからこそ実現できる、実践的な教育体制も本スクールの特徴だ。
中でも、ZETA DIVISIONのイベント運営サポートや施設見学、イベントやグッズの企画ワークショップなど、現場に近い授業が用意されている点は特に魅力的だ。
1年目に選手・ストリーマーを目指しながら幅広く学び、2年目以降は裏方志向のコースへと進路を切り替えられる仕組みも納得感がある。夢を追う機会を残しつつ、現実的なキャリア形成にも配慮された、バランスの取れたカリキュラムとなっている。

本発表はSNS上でもすでに大きな話題となっており、特に大学卒業と同等の資格を取得できるコースには高い関心が集まっている。ZETA DIVISION全面監修という点も相まって、期待感の高まりがうかがえる。

本スクールは、将来eスポーツ業界に関わりたい若者にとって、有力な選択肢のひとつとなるだろう。ここから業界を支える優秀な人材が数多く輩出されることに期待したい。