text by Hiragi
edit by GAMEZINE
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近年、注目度が増すeスポーツ業界。しかし、その実態やキャリアパスは未だ不透明な部分も多い。
『GAMEZINE Vol.33』では「eスポーツ職業案内」として、第一線のプロたちが語る「eスポーツを仕事にする」ことのリアルに迫った。
本記事では、誌面で掲載しきれなかった内容を加えた拡大版インタビューをお届け。
株式会社イード(以下、イード)でライターを務める岡野さんの経歴を振り返りながら、eスポーツ業界で働くライターの裏側や、ライターになるためにするべき事についてお話を伺った。
――岡野さんはイードで、どのようなお仕事をされていますか?
主な業務は「ライティング」と「編集」の2つです。ライティングは基本的に原稿を完成させることが仕事になります。編集はライターが書き上げた原稿をチェックし、世に出せる形に整えて入稿・公開する役割に加え、「誰にインタビューするか」といった企画を考えたり、どのライターにどの取材を任せるかといった仕事の振り分けも編集の重要な仕事です。
――ライターを始めたきっかけは何だったんでしょうか?
友達に背中を押されたのがきっかけでした。小学生の頃からパソコンを触っていて、当時「ブログ」という言葉が流行りだしたタイミングだったので、自分も始めてみたんです。ゲームの感想とかインプレッションとか、ニュースメディアの真似事を長いことやっていて、友達と一緒にやったりもしていました。その友達から「そろそろ文字を書いてお金を稼いでみたら?」と言われ、当時読んでいたAUTOMATONというゲームメディアに応募したことが始まりでした。
――そこから、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
AUTOMATONで実績を積んだ後、他のメディアでも書いてみようと思い、応募を始めて、インサイドに採用されました。イードはいろんなメディアをやっているので、Game*Sparkとかでも記事を書かせてもらいました。その後、RUGsでメインライターとして活動することになり、ニュース系の記事は基本的にすべて私が書いていましたね。RUGsでの活動が一段落したタイミングで、ちょうどFISTBUMPの立ち上げが決まり、そこに参加することになって、現在に至ります。
――複数のメディアでご活躍されてきたのですね。イードは複数のメディアを持っているとのことでしたが、そんなイードならではの魅力はありますか?
複数のメディアがあるからこそ、他のライターから情報収集のノウハウを共有できる点は魅力かなと思います。社内のライターや編集者が集まるDiscordのサーバーもあるので、そこで他のライターがどんな媒体から情報を得ているのか、その得た情報に対してどのように考えているかなどを勝手に盗むことができるのは良い所だなと思いますね。
――イードにはどのようなライターさんが多いですか?
ゲームが異常に好きな人が多いですね。それゆえに、この仕事に情熱を注ぎすぎてしまって他の部分がおろそかになってしまっている人もいます。そんな情熱的な人が、必然的に集まってきているのかなと思いますね。それくらい好きでないとこの仕事は務まらないのかもしれません。
――これまでで最も印象に残っているお仕事は何ですか?
2024年の11月に中国の成都で開催された『VALORANT Radiant Asia Invitational』ですね。日本の「DetonatioN FocusMe」が準優勝という快挙を成し遂げた大会です。日本チームが世界大会でそこまで活躍することは稀だったので、その歴史的な瞬間に立ち会い、選手たちの生の声を記事にできたことは、すごいありがたい機会だったなと思っています。日本チームが世界で活躍する場面を観ることができたのは、eスポーツの大会の観戦体験のひとつとしても印象深い大会でした。
――日本チームが世界で活躍している場面を記事にできたことは、ライターとして嬉しいことですよね。岡野さんがライターとして働く上で意識していることはなんでしょうか?
インタビュー記事を書く上で常に意識しているのは、その人らしい「言葉遣い」を、商業メディアの記事として成立するレベルで、いかに自然に残すかという点ですね。読者が記事を読んだ時に、その人の声で「脳内再生」できるような文章を目指しています。インタビュー相手が深く知っている人の場合は積極的にそういった文章になるようにしています。
――「脳内再生」できる文章だと、ファンの方も読みやすい文章になりますよね。他に意識していることはありますか?
「情報を記録として残す」こと、「コンテンツとして読者に楽しんでもらう」ことは記事の役割としてなくてはいけないものだと思っているので、常にこの2つは意識していますね。その上で、どれだけクリックしてもらえるかはメディアとして重要なので、記事の「タイトル」も気を使っています。読者が興味を引くような内容のタイトルにできるか、どれほど簡潔に情報を詰めれるかといった、1番クリックされる文章を決めないといけないので、そこはいつもめちゃくちゃ時間をかけている部分になります。
――岡野さんが働く上でのやりがいについて教えてください。
読者の方から反応をいただけることが一番のやりがいですね。友達に「仕事でSNSの反響や、他者から評価されることってレアな事なんだよ」と言われ、「確かにな」と思ったんです。「インタビューのここが良かった」、「この記事めっちゃ良かったです」とか反応を貰えることがとてもありがたいことだなと感じています。あと『VALORANT』好きとしては、よくインタビューをさせてもらっている元プロゲーマーのLazさんにXでフォローしてもらった時は嬉しかったです(笑)。
――最後に、eスポーツのライターを目指している方に向けて、アドバイスをお願いします。
とりあえず名刺でも作ってみたらいいんじゃないかなと思います。あとは、「まともな文章が書けること」と「ゲームの知識があること」は、eスポーツのライターに必要な要素ですね。自分が記事を書きたいメディアに、自分がどれだけそのゲームが好きで、どれほど情熱を注いでいて、どんなことができるのかをアピールした方が良いです。待っていても始まらないので。アピールするためにも、メディアの真似事とかしてみて、文章をたくさん書いてみると良いと思います。
プロフィール
株式会社イードのメディア事業本部、ゲーム事業部、FISTBUMP編集部に所属しており、業務委託として働いてる。東京都出身の29歳。『VALORANT Champions Tour 2023』では、現地ロサンゼルスにて1ヵ月にわたる取材を行い、連日のインタビューと記事の執筆をこなしていた。
会社情報
株式会社イード
設立 :2000年4月28日
代表者 :代表取締役 宮川 洋
本社所在地:東京都中野区本町一丁目32番2号 ハーモニータワー17階
社員数 :272名 ※2025年6月末日現在(アルバイト含む)
事業内容 :メディア事業
(ゲーム・アニメ・自動車・教育など21ジャンル、82のWebメディア運営)
リサーチ事業
メディアコマース事業
主な採用職種
- 総合職(プロデューサー)
- アニメ総合情報サイト/映像業界ビジネス情報サイトの編集リーダー
- 学生長期インターン
▼詳しくはこちらから
https://www.iid.co.jp/recruit/
