text by Hiragi
edit by GAMEZINE
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近年、注目度が増すeスポーツ業界。しかし、その実態やキャリアパスは未だ不透明な部分も多い。
『GAMEZINE Vol.33』では「eスポーツ職業案内」として、第一線のプロたちが語る「eスポーツを仕事にする」ことのリアルに迫った。
本記事では、誌面で掲載しきれなかった内容を加えた拡大版インタビューをお届け。
株式会社JCG(以下、JCG)でディレクターを務める太田さんの経歴を振り返りながら、イベント制作の裏側や、eスポーツのイベント制作で求められる経験や姿勢についてお話を伺った。
――始めに、JCGに入社された経緯について教えてください。
最初は静岡県でアパレルショップの店長をしていましたが、コロナ禍の影響で閉店してしまったので、東京に戻ることになりました。その時に一緒にゲームをしていた知人から「北海道でのeスポーツチームを立ち上げるから映像を手伝って欲しい!」と声をかけてもらって。「これは絶対に行かなきゃいけない!」と直感してそのお手伝いを始めました。
チームで働いている中で、イベント制作の仕事が1番楽しかったので、「これを本格的に仕事にしたい」と思うようになったんです。 それで東京に戻って転職先を探していたところ、ちょうどJCGが日本テレビと提携を発表していて「このビッグウェーブに乗りたい!」と思い入社しました。
――eスポーツとは別の分野のお仕事からスタートし、そこからeスポーツ業界へと結びついたわけですね。JCGでは、どのような人が働いていますか?
明るい人や集中力が高い人が多いです。ゲームに熱中しすぎてしまう人って、集中力が高い人なんだなってJCGに入社して気づきましたね。あと、部署の隔たりが無いので、「ゲームするけど来る?」って誘うとバーッて集まったり、ゲームをやらない人とは他の趣味で仲良くなったりします。
――次に、太田さんの具体的なお仕事内容について教えてください。
イベントや配信で使用するクリエイティブの制作や演出の考案、技術チームとの連携、台本の作成などを担当しています。お客さんと直接「どのようなイベントにしていきたいか」のお話をして、技術チームと相談し合いながら、形にしていく事が僕たちの仕事です。僕が担当する領域は、視聴者の皆さんに実際に「見える部分」がほとんど。だからこそ、イベントを通して「楽しかった!」「また見たい!」と思ってもらえるような体験づくりを意識しています。
――そういったお仕事をJCGでされていく中で、太田さんが大事にしていることはなんでしょうか?
僕は人並み以上に音楽を聞いていると自負しているので、音楽を1番大事にしています。ゲームやアニメ、ドラマなどの「良いコンテンツ」と呼ばれるものに音楽が悪い作品はひとつもないと思うんですよ。正直、eスポーツ配信の絵面って「実況席→スライド→ゲーム画面」の繰り返しになっているので、大きくは変わらなくて。だからこそ、音楽の力がすごく大事になってくると感じています。音楽で空気をつくり、熱量を高める。そこには1番こだわっています。いつかは絵面の部分も変えていきたいですね。
――イベント制作をする上で、大変な部分はなんでしょうか?
お客さんや会社内部との連絡の部分は大変だと感じています。お客さんがやりたいことを1番最初に知るのは僕だけなので、それをしっかりまとめて、技術さんやデザイナーさんに伝えなくてはいけません。そのため、僕の伝え方が悪いと「これやるって言ってなかったっけ?」「これ作ってないけど大丈夫?」みたいに、作業がうまく進まなくなってしまうことがあります。イベント制作は僕ひとりではなく、たくさんの人と協力しながら行うものなので、そういったコミュニケーションの部分は本当に大事だし、難しいところだと思います。今でも勉強中の部分ですね。
――イベント制作をスムーズに進めるためには、円滑なコミュニケーションが必要ですよね。JCGで働く中で、その他に身についたスキルはありますか?
ゲームやeスポーツ以外のコンテンツから学ぶ姿勢ですね。アニメや漫画、ドラマ、バラエティ、フェスなど様々なコンテンツから、配色やカメラワーク、演出、お客さんの誘導など「イベント制作でも使えるかも」と感じたものを吸収するようにしています。今は、お手本になるコンテンツが世の中に溢れているので、それらを参考にしつつ、ただ真似するだけにならないように、自分たちの個性をいかに表現していけるかを意識してイベント制作を行っています。
――幅広いコンテンツに目を向けることが、自分の成長に繋がるんですね。これまでイベント制作を行ってきた中で、印象に残っているお仕事は何でしょうか?
学生さんが主体となって行っているイベントの制作ですね。学生さんのやりたいことを一緒に叶えていけるというのはめちゃくちゃ面白かったです。クリエイティブとか映像とか学生さんたちに作ってもらって、それに対してディレクションするのが僕の仕事だったんですけど、学生さんたちってすごいハングリー精神があって「これどう思いました?」「何がダメでしたか?」とかガンガン聞いてくるので、「すげぇ……」って感じさせられたイベントでした。こだわっている音楽の部分もかっこよく作れたので、そういった面でも印象に残っています。
――太田さんが思う、イベント制作に向いている人について教えてください。
人とたくさん話す仕事なので、コミュニケーションはもちろんですが、ガンガン自分の意見を発信できる人が向いていると思います。思っていることはどんどん口に出して欲しいですね。もし間違っていたら教えてあげられるし、逆に間違っていなければ僕らの学びにもなる。 だから遠慮せずにどんどん質問してほしいと思っています。
――最後に、eスポーツのイベント制作を目指す人へアドバイスをお願いします。
決して簡単な仕事ではないということは理解しておいて欲しいですね。今この業界を目指している人には、もしかしたら茨の道が待っているかもしれません。それでも目指す人には、様々なコンテンツに触れて、「なぜそれが良いと評価されているのか」を常に考えるようにしてほしいですね。あとは、人との繋がりを広げて欲しいです。例えばゲームのイベントに行って、スタッフに声をかけてみるとか。そうやってできた繋がりからイベント制作の仕事に繋がることがあるかもしれません。僕もゲームのコミュニティで知り合った人と今でも一緒に仕事することがあるので、ぜひ繋がりを広げてもらいたいですね。
プロフィール
株式会社JCG企画制作部に所属し、ディレクターを務める。神奈川県出身、27歳。1番プレイしたゲームは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』。趣味でDJを7年間続けており、イベント制作では1番音楽にこだわっている。
会社情報
株式会社JCG
設立 :2017年5月
代表者 :代表取締役社長 小林 大祐 / 代表取締役CEO 松本 順一
本社所在地:東京都江東区豊洲5-6-52 NBF豊洲キャナルフロント5F
社員数 :78名(2025年3月末現在)
事業内容 :eスポーツに関する大会やイベントの企画・運営
ゲーミング大会サイト「JCG」の運営管理など
主な採用情報
- 新卒採用
- シニア・プロジェクトマネージャー
- eスポーツディレクター
- イベント技術・番組技術スタッフ
- 日勤インターン
- 総務スタッフ
- ゲームイベント運営スタッフ など
採用情報の参照ページ
https://jcg.co.jp/careers
