text by mitomi
edit by GAMEZINE
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近年、注目度が増すeスポーツ業界。しかし、その実態やキャリアパスは未だ不透明な部分も多い。
『GAMEZINE Vol.33』では「eスポーツ職業案内」として、第一線のプロたちが語る「eスポーツを仕事にする」ことのリアルに迫った。
本記事では、誌面で掲載しきれなかった内容を加えた拡大版インタビューをお届け。
GANYMEDE株式会社(以下、GANYMEDE)でマネージャーを務める上坂さんの経歴を振り返りながら、eスポーツ業界のタレントマネジメントの裏側や、GANYMEDEのマネージャーに求められる経験や姿勢についてお話を伺った。
──まず最初に、上坂さんがGANYMEDE株式会社(以下、GANYMEDE)に入社された経緯を教えてください。
新卒でeスポーツ専門の制作会社のウェルプレイド株式会社(現:GLOE株式会社)に入社し、主にイベント制作に携わり、様々なことを学ばせていただきました。自分が「前職を退職する」とXでポストしたところ、以前一緒に仕事をした佐橋さんからダイレクトメッセージで、「もし興味があればGANYMEDEに来ませんか」というお誘いをいただいたのがGANYMEDEに入社したきっかけです。実はその時、既に別の会社への転職が決まっていたのですが、自身の胸に手を当てて「自分の人生にとって、どちらが後悔しない選択か」を考えた時、GANYMEDEに入社した方が、この一度きりの人生で後悔しないだろうと思い、決断したのを覚えています。
──GANYMEDEは、どのような事業を行っている会社ですか?
eスポーツに関わる多岐にわたる事業を展開しています。具体的には、eスポーツの競技プレイヤーおよびストリーマーが所属するライフスタイルブランド「ZETA DIVISION」の運営、VTuberブランド「UltraLMTM」の運営、そして、「三人称」さんのように、GANYMEDEとして直接マネジメントを行うタレントのサポートです。私が所属しているのはマネジメント事業部です。この事業部は第1マネジメント室と第3マネジメント室に分かれており、第1マネジメント室には競技部門、第3マネジメント室にはコンテンツクリエイター部門のマネージャーがそれぞれ所属しています。
──ちなみに、第2マネジメント室はないのでしょうか?
第2マネジメント室は元々存在していて、第1マネジメント室と第2マネジメント室が、競技部門を担当していました。現在は第1に統合され、2つの室体制となっています。
──第2マネジメント室は現在ないんですね。上坂さんは、現在どのような業務をされているのでしょうか?
マネジメント事業部に所属していて、ファン太さん、鈴木ノリアキさんといったコンテンツクリエイターの方のマネジメントを行っています。主な業務内容は、彼らの活動のサポートや、日々のコミュニケーションですね。スケジュールの管理はもちろん、配信を気兼ねなくできるようにしたり、いろんな企業さんから仕事の案件を僕らが整理して、受けるかどうかを彼らが簡単に判断できるようにしています。あとは、案件を獲得する営業も行っています。
──入社されてからは、ずっとマネジメント業務に携わっていらっしゃるのですか?
そうですね。実は、GANYMEDEに入社する際の条件として、私から会社に「マネージャーとしてであれば入社します」と伝えていました。イベント制作の仕事は、前職で一つの区切りをつけたと思っていたので、イベント制作ではない領域、つまりマネジメントという形で新たな挑戦をさせてほしいという希望を出し、マネージャーをやらせてもらっています。
──これまでマネジメントをされてきて、一番印象に残っているお仕事やエピソードはありますか?
そうですね。私が初めて参加した現場が記憶に残っています。「STN’S KITCHEN」という、関さんがゲストを呼んで料理を作る企画で、その時、恭一郎さんとありけんさんがゲストでした。その回では関さんが「カロリーグレネード」という、あらゆる高カロリーな食材を入れた後に衣をつけて揚げるという、非常に“破天荒”な料理を作っていました。このキッチン企画では、演者さんが作った料理を「スタッフが美味しくいただく」ため、自分も例にもれず食べたのですが、初めての現場だったこともあり、その時「これがGANYMEDEの仕事か」と感動しました。それが一番最初で、最も記憶に残っている現場です。
──マネージャーの方々も一緒に参加されるお仕事は良いですね。他にもそういったエピソードはありますか?
また関さんの話になってしまいますが、『関優休』という、関さんの休みを充実させる企画があり、その中でテントサウナを川の近くに置いて入ってもらうという撮影がありました。関さんはサウナが好きではなく、むしろ少しアンチの立場にいるほどでした。そんな関さんがテントサウナに入り、その後に川に入ったり、ハンモックに揺られたりしている時の表情が、非常に心地よさそうだったのです。私自身がサウナ好きなので、「これでまた一人サウナにハマった人ができた」と思ったことが、記憶に残っています。自分自身関さんのいちファンということもあり、関さん周りのエピソードは強く記憶に残っているかもしれません。

動画はこちらから▶https://youtu.be/OqaIIZiZd3Y?si=Z96OJqvJ1KASDrfw
──GANYMEDEだからこそ経験できたこと、あるいは成長できた部分はありますか?
前職で培ってきたイベント制作の知見が、想像していた以上に活きているだけでなく、そのスキルがさらに磨かれているとも実感しています。また、社内外の各セクションとやり取りする折衝のスキル、クライアントに対してクリエイターを売り込む営業のスキルなども向上しました。プロジェクトの進行において不足している部分を補う役割を担うことが多いので、様々なパラメーターが満遍なく伸びている実感がありますね。
──ひと口にマネージャーといっても、求められるスキルは本当に幅広いのですね。
幅広い業務に携われる一方で、ジェネラリストとしての市場価値をどう高めていくかは常に戦略的に考えています。私に関して言えば、マネジメント経験に加えて、制作現場の知見を深く理解していることは、専門職とはまた異なる希少なキャリアになると考えています。変化の激しい時代において、万が一の状況でも選ばれ続ける存在であるために、今のマルチなスキルを自分だけの『独自の強み』へと昇華させていきたいです。
──今まで働いてきた中で、特にやりがいを感じる部分と、逆に「これは大変だ」と感じる部分はどのようなところですか?
やりがいは2つあって、1つはGANYMEDEでは結構社員に裁量が与えられていて、自分の判断で仕事を進めていけるところですね。もう1つは、自分の営業ひとつで会社とクリエイター本人に利益をもたらすことができることも魅力だと考えています。
大変なことだと、コンテンツクリエイターの方が現場に遅刻するのは結構ハラハラしちゃいますね。やっぱり彼らも人間なので、その時は肝が冷えるし、冷や汗がすごいです(笑)。
──考えるだけでゾッとしますね…。そうしたクリエイターを日々支えるマネージャーという仕事には、どのような方が向いているのでしょうか?
自己犠牲の精神とちょっとお世話焼きなぐらいの方が丁度良いのかなって思います。選考の際には、応募される方が所属選手、クリエイターのファンであるかどうかよりも、ファンであることを仕事に持ち込をみそうかどうか気にしています。「きゃー、〇〇さん」みたいなことを言いそうな人は書類選考の時点である程度分かるので、お断りしています。
また、すべての職種に言えることなのですが、クリエイターや選手と向き合う前に、まず僕たちと一緒に働く人たちっていうのが大前提なので、会社の風土にフィットしそうな人かどうかを見ます。ちゃんと人とコミュニケーションが取れて清潔感があって、嫌な感じのしない良い人であることが必要ですね。
──上坂さんがマネージャーとして、大事にしていることは何ですか?
自身の会社、クライアント、スポンサー企業、そして担当クリエイターなど、仕事に関わる様々なセクションがいる中で、どこに重心を置くべきかというバランス感覚を非常に大事にしています。
前提として私たちマネージャーは会社員であるため会社の利益を確保しなければなりませんが、同時にクリエイターが快適な環境を作ったり、彼らに利益をもたらすことも重要です。具体的には、クリエイターへの様々なセクションからの要求を、マネージャーというフィルターを通して整理し、適切なタイミングで対応する必要があります。時には、会社やクライアントからの依頼が横暴だと感じた場合、クリエイターを守るため、「この内容では本人には伝えられない」と跳ね返すことも必要になります。
もちろん、クリエイターの言いなりになるのも違います。彼らのことを守るだけでなく、時には彼らの成長やプロとしての自覚を促すために、要求を鵜呑みにせず厳しいことを言わなければならない場面もあります。状況に応じて、会社に寄り添うべきなのか、クライアントに寄り添うべきなのか、クリエイターに寄り添うべきなのか……というバランス感覚は、非常に大切です。
──最後に、これからeスポーツ業界を目指す方々へ向けて、必要なことがあればアドバイスをお願いします。
英語はできたほうが絶対良いです。英語を学んでおいて損はないし、この業界にもし入らないことになっても絶対に活きるスキルだと思います。あとは、本当にこの業界に興味があるんだったら、色々なeスポーツやゲームのイベントに足を運んでみてほしいです。そこで何か1つでも学んだことを、面接の時に話してくれると嬉しいです。
プロフィール
マネジメント部 第3マネジメント室 室長、タレントマネージャーを務める。静岡県出身、30歳。初めての現場は「食欲を爆発させろ!高カロリー対決! // STN’S KITCHEN #16」。学生時代には『クラッシュ・オブ・クラン』に大ハマりする。
会社情報
GANYMEDE株式会社
設立 :2017年10月23日
代表者 :西原 大輔
本社所在地:東京都港区麻布台1丁目8番10号 麻布偕成ビル5F
社員数 :65名
事業内容 :ライフスタイルブランド「ZETA DIVISION」の運営、
VTuberブランド「UltraLMTM」運営
タレントマネジメント など
主な採用情報
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