text by feneki
edit by GAMEZINE
SHARE

多くのファンが胸を躍らせている、Riot Gamesが放つ待望の2v2格闘ゲーム 『2XKO(ツーエックスケーオー)』。
その熱狂度は右肩上がりで加速し続けているが、その未来に誰よりも早く目を向けていた選手がいる。
稀代のマルチプレイヤー・立川。
ファーストタッチの衝撃や『EVO France 2025』での世界挑戦などを通して、その“眼”は何を捉え、その“手”は何を感じ取ったのだろうか。
Photo EISYAKEN / Text Tamo / Edit Yui Takahashi
勝つこと以上に興味があった
好奇心の行き先
――最初に、立川選手が格闘ゲームを始めたきっかけを教えてください。
きっかけは本当にシンプルで、“そこに格闘ゲームがあったから”ですね。親が格闘ゲーム好きだったので家に置いてあって、その影響でプレイするようになりました。そうこうしているうちに地元の友達とも一緒に遊ぶようになって、そこから一気にハマっていきました。
――格闘ゲームにはどのようにのめり込んでいったのでしょうか?
もともと、運動も勉強もそれなりにできるタイプで、格闘ゲームもそれなりに楽しめていました。ただ、地元にめちゃくちゃ強い友達がいて、まったく勝てなかったんですよ。それが逆に楽しくて、どんどんハマっていきましたね。
――「負けたくない」という気持ちでしょうか?
それ以上に「格闘ゲームってこんなにやれることがあるんだ!」という感動のほうが大きかったです。もっと上手くなりたい、極めたらどうなるんだろう、というワクワク感が常にありました。
――「自分がどこまで行けるかを確かめたい」という意識もあったのでしょうか?
それは今でもあります。梅原大吾さんのことをすごくリスペクトしているんですが、初めてプレイを見たときに、ゲームひとつで会場がものすごく盛り上がっている光景を目の当たりにして、「ゲームでこんなことができるのか」と衝撃を受けました。そこからは、勝つだけではなく人を感動させられるような試合をしたい、良いプレイを魅せたい、という気持ちで取り組むようになったんです。
――格闘ゲームの競技シーンにある独特の魅力について、立川選手はどのように感じていますか?
自分が出場する大会や試合に関しては、残り体力が少なくなったときの、張り詰めた緊張感ですね。1分くらいの試合の中で、手が震えるような瞬間を何度も味わえる。普通に生活していたら、まず経験できないことですから。試合以外の部分では、プロとの距離の近さは格闘ゲームならではと思います。直接会って話をしたり、一緒に対戦できるという文化は大きな魅力ですね。
ビギナーからプロまで満足させる
『2XKO』の奥深さ
――続いては『2XKO』について、初めてプレイしたときの印象を教えてください。
“速い展開”や“複数キャラで戦う”という部分で見ると、海外では“アニメゲー”と呼ばれるジャンルなんですが、最初に思ったのは「操作がかなり簡単だな」ということでしたね。こういったゲームはコマンドや操作が難しいことが多いんですが、『2XKO』はそのハードルがかなり低いです。ただ、その一方でプロとして求められるコンボのレベルはかなり高い。プロレベルで最適なコンボを選んで通すとなると、今までやってきたゲームの中でも一番難しい部類かもしれないという感覚があります。
――配信でも、「コンボが大事」とおっしゃっていましたね。
『2XKO』はコンボの比重が高いゲームだと思っています。チャンピオンの組み合わせによってコンボはほぼ無限にあって、状況ごとに最適解が変わるんですよ。パートナーが倒されている、自分と相手の残り体力、ゲージ状況など、すべての情報を加味しながらどのコンボを選ぶかを決めないといけない。本当の意味で“ベスト”にたどり着くことはほとんどなくて、その中で妥協の範囲から一番良い選択を出し続けるゲームだなと感じています。試合を振り返って「今のはベストのコンボが出せたな」と思える瞬間があったら、相当気持ち良いと思います。
――操作のしやすさと、システムの深さの両方があるタイトルという印象でしょうか?
操作が簡単なおかげで、触り始めるハードルはかなり低いです。ただ、プロの配信や大会を見て「このコンボをやらなきゃ」と思い込んでしまうと、落とし穴にハマってしまうのかなと思います。シンプルなコンボでも十分戦えるので、逆に最初からハードルを上げすぎないでほしいですね。
――基本プレイ無料という点については、どのように感じていますか?
率直に言うと「本当に良いんですか?」って感じです(笑)。『2XKO』のクローズドベータが始まった時、僕は海外にいたのですが、ソフトのインストールが2分くらいで終わったんですよ。ここまで始めやすい格闘ゲームは今までになかったんじゃないかなと感じています。
フランスでの初大会を経て
感じた今後の取り組み
――2025年10月に行われた『EVO France 2025』では、2XKO部門「2 NICE KO」に出場されました。その理由を教えてください。
『2XKO』は自分の中でも注目のタイトルだったので、現時点の自分の実力がどこまで通用するのか確かめたい、レベルの高い海外プレイヤーの試合を生で見て学びたいという気持ちがありました。挑戦の意味合いが大きかったですね。
――実際に大会に出場しての感想を教えてください。
結果としては97位でしたが、大会に臨んだときは「優勝かそれ以外か」という感覚なので、細かい順位はあまり意識していません。
――大型アップデートの影響もありましたか?
大きかったですね。大会へ向かう移動中にアップデートが行われて、新しいチャンピオンが2体一気に追加(※1)されて、現地で普通にプレイできる状態になっていたという経験はしたことがなかったので。しかもトップ8に新しいチャンピオンを使用している選手がいるのを見て、「どうなってるんだよ」と(笑)。さすがに今回は難易度が高かったと思います。
(※1)2025年10月8日に配信されたパッチノート:1.0.1で、ティーモとワーウィックが追加された。
――『2XKO』はデュオプレイも特徴ですよね。今後、デュオでの大会出場については考えていますか。
ぜひ出場したいです。『2XKOデュオ最強決定戦』に一緒に出場したかずのこさんとコンビを続けたいのですが、海外に行かない選手なので、ペアを組むだけ組んで大会に出られない未来も見えるんですよね(笑)。
――そんなかずのこさんを推す理由を教えてください。
すごく信頼感があるんです。彼は“ゲームの天才”だと思っていて、何でも柔軟に対応してくれるタイプなので、『こういうことをやりたい』と伝えれば、きっと合わせてくれるだろうなと。ただ、格闘ゲームを2人組でやるのはほぼ初めてなので、ケンカにならないかの心配も若干ありますね(笑)。
――『EVO France 2025』を経てのキャラ選択やメタの考え方について、変化はありましたか?
最近はエコーとティーモが増えているので、その辺りのメタも参考にしながら使用するチャンピオンを考えています。ぼくは“最強キャラを使う”というより、“最強キャラに勝てるキャラを使う”タイプなんですが、やはり強いチャンピオンは入れておかないと勝てないとも思っているので、現状ではヤスオは絶対に使うつもりです。
※2025年11月取材時の環境・メタに基づくコメントです。
――立川選手の格闘ゲームキャリアの中で、『2XKO』はどのような位置づけになりそうですか?
『2XKO』は展開が速いのでアドリブ力が求められますが、そのアドリブは普段のトレーニングに基づく知識量が土台になるので、自分の強みが活きる部分だと思っています。海外と比べて日本は『2XKO』のプレイヤー人口が少ないですが、そういった状況でも果敢に挑んでいくという姿を見せたいですね。大きなやりがいを感じています。

アイデアで無限大に広がる『2XKO』の未来
――eスポーツタイトルとして、今の盛り上がりを継続していくために、『2XKO』には何が必要だと思いますか?
“デュオ”という最大の特徴を配信などでしっかり見せて、面白さを知ってもらうことが必要だと思います。格闘ゲームファンの興味を惹ける“見ていて楽しいコンテンツ”を増やしていけたら良いですよね。その上で、“大会に勝つデュオ”が出てくることも重要です。エンタメと競技性の両面が出せると、参加したいと思う選手も増えるはずですし、見たいと思うファンも増えると思います。
――今後、『2XKO』のコミュニティはどのようなプレイヤーに届き、どう発展していくと思いますか。
爽快感が欲しいプレイヤー、やり込み要素が好きなプレイヤーにはすごく向いていると思いますし、友達とワイワイ遊びたい人にもデュオはハマると思います。ほかにも、格闘ゲーム好きのカップル向けに、デュオ大会を開くのもアリじゃないかと思っていて(笑)。ランダムチーム戦はオフイベントだとよくありますが、『2XKO』の醍醐味を生かして、そういうかたちにするのも面白いんじゃないかなと。ソロゲーではできないことが本当にたくさんできるタイトルだと思います。
――そのような期待感も込めて、『2XKO』の未来についてはどのように捉えていますか?
どんどん盛り上がっていくと思います。他タイトルにはない斬新なシステムを持っているのは大きな強みですし、あとはその魅力をどう見せていくか。僕らのような立場の人間が、『2XKO』の楽しさをしっかり発信していけるかどうかだと思います。タイトルが盛り上がれば自分たちの活躍の場も増えますし、プレイヤーとしても嬉しいことばかりなので、そこはしっかり意識して活動していきたいですね。
――最後に、視聴者やプレイヤーへのメッセージをお願いします。
『2XKO』は操作を簡単にするモードもありますし、妥協したコンボでも十分楽しめるゲームです。まずは気になったキャラで触ってみて、友達やパートナーとデュオでワイワイ遊んでもらえたら嬉しいです。基本無料で、ここまで始めやすい格闘ゲームは中々ないと思うので、ぜひ一度インストールしてみてください。

――ありがとうございます! 立川選手がいれば、確かに『2XKO』の未来は明るいものになるだろうと確信しました。これからも世界を舞台にした活躍を期待しています。
【プロフィール】
1997年11月7日生まれ、富山県出身。Crazy Raccoon所属。選手としてだけでなくコーチングやスパーリングパートナーとしての技量にも定評があり、プロからストリーマー、VTuberまで広範囲にわたって指導やアドバイスを行っている。
【関連リンク】
X x.com/TachikawaCR
YouTube @TachikawaBR
Twitch twitch.tv/tachikawabr
