2025年8月23日、24日の2日間に渡り、公式VALORANTトーナメントの決勝大会『VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals』が開催された。今シーズンを戦い抜いた上位3チームであるRIDDLE ORDER、FENNEL、NOEZ FOXXが集い、京王アリーナTOKYOで激戦を繰り広げた。

大会のさまざまな取り組み

京王電鉄との豪華コラボ
スポンサーである京王電鉄との連携企画として、京王線・新宿駅3番ホーム(4号車付近)には、今回出場するRIDDLE ORDER、FENNEL、NOEZ FOXXの巨大ポスターが掲示されていた。また、見れたらラッキーな京王電鉄車内の中吊り広告も掲出されていたようだ。

チームブースはいつも通りの交流で大盛況
今回も会場内には各チームのブースがあり、出場3チームのほかに、QT DIG∞
・Delight・ZETA DIVISION・DetonatioN FocusMe・REJECTが出展。グッズ購入や所属選手・ストリーマーとの交流を目当てに、酷暑にも関わらず多くのファンが屋外でも長い列を作って並び、その熱量は夏の暑さと相まって凄まじいものであった。

また、とあるチームのブースで、アパレル店員ばりの呼び込みを披露するストリーマーがいるという噂も流れていた…。筆者もブース前を通りかかった際に、「GAMEZINEの取材の方ですよね!!!良かったら服買っていきませんか!!!」と元気よく接客していただきました。

オシャレな公式グッズ販売も
会場内では大会公式グッズの販売も行われていた。今回公式グッズとしては、本イベントの予選でもある『VALORANT Challengers Japan 2025 Split 3 Main Stage』出場チーム名が「横丁」な和風デザインになったTシャツやタオルが用意された。
また、『VALORANT』用語でもある「TEAM ACE」と「RETAKE」のイベントオリジナルロゴデザインのステッカーなど、普段使いもできそうなバリエーション豊かな限定グッズが多く販売された。オンライン販売もあるようなので、現地では売り切れで買えなかった人や、会場に訪れることができなかった人も是非チェックしてみてほしい。

企業ブース
会場内には、スポンサーであるINZONE、GALLERIA、ふもっふのおみせが展示を行っていた。
一部ブースでは試遊の体験やアンケートの記入によって、入場時に配られるMain Stage出場選手のプレイヤーカードを追加でもらうことができるということで、終始賑わっていた。

1日目

会場限定トークセッション


1日目は、配信には載らない会場限定のトークセッションからスタート。壇上にはZETA DIVISIONからSugarZ3ro選手とXdll選手、DetonatioN FocusMeからはMeiy選手とAkame選手が登場し、開場直後から観客はステージに釘付けにさせられていた。


トークセッションでは、各チームの韓国での生活について話す場面も。Xdll選手は気軽に遊べる友達がZETA DIVISIONのチームメンバーやMeiy選手くらいしかいないことが辛いとしながらも、同じく登壇していたSugarZ3ro選手やMeiy選手と一緒に、韓国のゲーミングハウス近くのプールで遊んだという、楽しかった思い出についても明かした。

Lower Final FENNEL vs NOEZ FOXX (3-1)
23日はLower FinalとしてFENNEL vs NOEZ FOXXがBO5で対決となった。以前より大事な場面で対戦することの多いこの2チームが、1年を締めくくる最も重要な場面で再び対峙することとなった。試合前日に行ったインタビューでも、両チームとも互いに対策しきった上で臨んでいたことだろうと思う。

先2マップは、互いのピックマップを大差で取り合う結果となった(カロード:4-13、サンセット:13-3)。このマッチアップに向けた両者の努力が垣間見えるこの結果は、彼らのプロ根性の表れだろう。魂のガチ解除やeKo選手(NOEZ FOXX)のネオンウルト、Hals選手(FENNEL)のクラッチなど見所も多く、「これぞ『VALORANT』」な楽しい試合であった。

一方、3マップ目のロータスは序盤から取って取られての接戦が続き、勝負はオーバータイムに突入する。34ラウンドの末18-16でFENNELが勝利したこのマップでは、滲み出る両者の勝利への執念を感じ取ることができた。
4マップ目ヘイヴンも終盤まで接戦が続くも、前マップの勢いそのままに、13-10でFENNELが勝ち切り、翌日の決勝へと繋げた。

試合後、IGLを務めたGON選手(FENNEL)はこの日の白熱した試合の展開に「焦りました」と答えるも、翌日の決勝の対戦相手として再び立ちはだかることとなったRIDDLE ORDERのIGLであるJoxJo選手に対して「首を洗って待っとけよ」とステージ上で宣戦布告し、1日目は終了した。

2日目

手越祐也さんも参加したSHOWMATCH
2日目、決勝戦の前には元『VALORANT』プロプレイヤーのTEAM takej vs TEAM 手越祐也のショーマッチが行われた。

・TEAM 手越祐也
手越祐也 / mittiii (FENNEL) / ade (Crazy Raccoon) / Biju (MURASH GAMING) / crow (ZETA DIVISION)

・TEAM takej
takej / Tonbo (MURASH GAMING) / Maripo (REIGNITE Lily) / Lucky (DetonatioN FocusMe Academy) / hatto (ZETA DIVISION Academy)

試合前、壇上では各チームのリーダーである手越さんとtakejさんが煽り合いを披露。「ブチ抜いてやる」という手越さんの強気な発言に、会場には大きな歓声が響いた。サンセットで対戦が開始し、手越さんの初キル発生時には大歓声が起こり、そのカリスマ性を改めて認識させられることとなった。TEAM 手越祐也は巧みな作戦で善戦するも、『VALORANT Challengers Japan 2025 Main Stage』でトッププロチームに迫る実力を見せつけたTEAM takejのAcademyメンバーLucky、hattoはが初めてのオフライン試合でありながら、トップチームで活躍していた元選手らとともに、チームを勝利に導いた(4-13)。

Grand Final RIDDLE ORDER vs FENNEL (3-1)

日本一を決める頂上決戦は、またしても2024年王者RIDDLE ORDERと2023年王者のFENNELの再戦(BO5)であった。本年のSplit 2決勝での対決ではRIDDLE ORDERが現王者の風格を見せつけ、悔しい結果となったFENNEL。両チームのメンバー達、スタッフ、そしてサポーターにとっても緊張感のある1試合となった。

1マップ目のカロードでは、RIDDLE ORDER優勢でスタートし、9-3で折り返すも後半のFENNELのラウンド連取によって接戦に持ち込むも、RIDDLE ORDERが落ち着いて勝ち切る結果となった(13-8)。

2マップ目はFENNELピックのサンセット。前日もサンセット戦では練習の成果を存分に発揮して勝利を収めていたFENNELは、この日もチーム一体となった動きで、リードを許すことなくRIDDLE ORDERを圧倒した(4-13)。


3マップ目、アイスボックスでは人数不利や武器不利を覆すクラッチが両チームから繰り広げられた末、自身のピックマップを焦らずに取り切ったのはRIDDLE ORDER(13-7)。

4マップ目はバインドでの対戦。FENNELのピックマップでありながら、あと少しのラウンド差が埋まらないまま、ビッグブレインすぎる頭脳プレイで会場を揺らして着実にラウンドを重ねたRIDDLE ORDERがマップを取得し、見事優勝を収める結果となった(13-8)。

最後に

                    再びあと一歩のところで優勝に届かなかったFENNELメンバーの悔しさは、我々には想像できないほど大きいものだろう。再びIGLのGON選手の涙を見ることになってしまったのは非常に心苦しいが、また立ち上がり、選手として頂点を目指す彼らの姿を見られることを祈るばかりだ。

一方で、4度目の日本一を決めたRIDDLE ORDERは熱い抱擁を交わし、yatsuka選手は飛び跳ねて喜ぶ場面が見られるなど、その喜びと達成感を見て感じ取ることができた。Vorzコーチはインタビューで「去年もここまでは来られたので、ここから先(『VCT Ascension Pacific』)を頑張りたい」と述べ、先を見据える王者らしい風格を日本中に見せつけた。なお、RIDDLE ORDERが昨年に引き続き出場を決めた今年の『VCT Ascension Pacific』では、昨年の同大会で敗れたNongshim RedForceとBOOM Esportsと再び対峙しなければならない。1年間日本王者として試合を重ね、進化したRIDDLE ORDERの実力を、世界でもう一度見るのが非常に楽しみだ。