text by Hiragi
edit by GAMEZINE
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日本王者VARRELの快進撃。圧倒的強さを見せつけ、『OWCS JAPAN 2025』2連覇を果たす。
2025年6月22日(日)、『esports Style UENO』にて今年2度目となる『オーバーウォッチ2』の公式大会『Overwatch Champions Series Japan(以下、『OWCS JAPAN』) 2025 Stage 2 – GRAND FINALS』が開催された。
新たに韓国人選手であるSley選手、TOPDRAGON選手を加え、進化を遂げたVARRELが旧Vortex Wolfのメンバーを軸に新たにEpic選手、Ydot選手を加え新体制となったREJECTをストレートで打ち破り『OWCS JAPAN 2025』2連覇を果たした。そんなVARREL所属のNico選手とKSG選手に『OWCS JAPAN 2025 Stage 2 – GRAND FINALS』を終えた心境と今後控えている世界大会に向けての意気込みを聞いた。
オープニング
蒼汁さんの挨拶とVARREL Nico選手とREJECT Epic選手のフィストバンプによって開幕した『OWCS JAPAN 2025 Stage 2 – GRAND FINALS』。
会場の様子
実況は蒼汁さん、解説はgappo3さんが務められた。
写真左から、蒼汁さん、gappo3さん
現地に応援しに来たファンの方たちは、チアボードに応援してるチームのファンアートや伝えたい言葉を書いたり、自分で作ったオリジナルの応援グッズを持参して応援していた。
そして、今回は観戦席にてキャスター陣の写真がデザインされているウーロン茶も販売。
会場の1階では、REJECTのチームグッズの販売も行われていた。
試合後には、それぞれのチームのファンミーティングが行われ、応援している選手からサインを貰ったり、一緒に写真を撮ったりするファンの方たちの姿がたくさん見られた。
GRAND FINALS 結果
コントロール NEPAL 2-1 VARREL
プッシュ COLOSSEO 1-0 VARREL
フラッシュポイント NEW JUNK CITY 3-1 VARREL
エスコート CIRCUIT ROYAL 3-1 VARREL
優勝者インタビュー
――『OWCS JAPAN 2025 Stage 2』優勝と『OWCS JAPAN』2連覇となりました。今の率直な心境を教えてください。
Nico そうですね。今回の『OWCS』は『OWCS ASIA』が無く、『OWCS JAPAN 2025 Stage 2』優勝で世界大会に直通という今後一生来ない可能性があるチャンスだと思っているので、絶対に勝たないといけない試合でした。そんな中で、ちゃんと勝てたのでよかったです。
KSG サブロースターのメンバーも含めて、全員のレベルが上がったのを実感していて、優勝に揺るぎない自信があったからこそ「自分が上手くできなかったら…」みたいな気持ちがあってかなりプレッシャーがあったんですが、上手くプレイできて、優勝もできたのですごく嬉しい気持ちです。
――今回、Nico選手がMVPを獲得されましたが、ご自身でMVPを獲得できた理由は何だと思いますか?
Nico MVPを獲得できた理由は、TOPDRAGONの影響が大きいと思っています。今までDPSのコーチングを「こうした方がいいよ」みたいなふわっとしか受けたことがなかったんですが、今はより詳細に「今、前に出たら絶対にダメ」みたいに言ってもらえて。しかも、DPSプレイヤーから言われると自分の気持ちもわかってもらえるので、そういった部分で自分が今まで以上に成長することができたことでMVPが獲得できたと思っています。本当にTOPDRAGONには感謝しています。
――韓国人選手の加入はチームに良い影響を与えてくれていたんですね。VARRELは韓国人選手を初めて加えての『OWCS JAPAN』だったと思いますが、加入の経緯について教えてください。
Nico 世界大会に直通で行けることが確定した状況で加入の話を始めました。それまでは加入させるつもりはなかったんです。世界大会で今までとは違う景色を見たいっていう思いから、1週間ぐらいみんなでたくさん話し合って、今回の『OWCS』は世界大会に行って絶対に勝つぞって決めました。またとないこのチャンスをものにするぞっていう気持ちでTOPDRAGONとSleyを誘いました。
――韓国人選手が加わったことでチームの雰囲気やプレイ面など変わった部分はありましたか?
KSG 雰囲気に関しては、2人とも日本語を聞いたりとか話したりとかするのは不自由ないので、今まで通り和気あいあいとしていますね。プレイ面でいうとコーチに「こうした方がいいよ」って言われた時にその根拠をプレイしながら自分で探さないといけなかったんですが、今はフィードバックをくれる人が試合中にいてくれてるみたいな。プレイ中にコーチも一緒にいてくれてる感じになった感覚でいます。
――Sley選手が加わり、サポートプレイヤーが3名になりましたがどのように試合に出場するサポートメンバーを決めていますか?
Nico これに関してはメタで決めてますね。『OWCS JAPAN 2025 Stage 2』の序盤は韓国でもジュノ・ブリギッテの構成が流行っていたのでSleyとMimoza。その後、Crazy Raccoonを始め、いろんなチームがバティストを運用し始めて、それに合わせてバティ・キリコみたいなダブルフレックスの構成が増えたんです。それから、メインサポートをあまり出さない環境が続いたのでSleyとQloudさん。みたいに、コーチの判断で変えてるっていう感じですね。
――ダブルフレックス構成の時にSley選手とQloud選手との事でしたが、GRAND FINALSではSley選手のブリギッテが見られました。この構成の変化は状況に応じて変更しているんですか?
Nico そうですね。でもそれに関してはほぼ練習してないというか。練習のしようがないというか。
KSG もうアドリブでやってますね。毎回スクリムでもBANの組み合わせが無限にあるので。
Nico 「D.Va来たらブリギッテやろうね」みたいにある程度は決めているんですが、スクリムで相手がD.Vaほとんどやってこなかったり。
KSG あと、ロースターが決まってからBANが決まるんですけど、QloudさんとSleyさんの組み合わせだと、フレックスサポートをバンされても「イラリーがバンされたらキリコやるか」みたいな感じで、もうかなり盤石というか。安定感がえげつなさすぎて。正直お互いのピックプールの広さから練習量やフィードバック量みたいなのは格段に減ったんじゃないかなと思いますね。そこは、ロースター変更がかなり刺さったんじゃないかなと思います。
――今までよりもVARRELの構成幅が広がったんですね。今シーズンから新ヒーローであるフレイヤが追加されたことに関して、DPS視点でNico選手はどのように感じていますか?
Nico 今回のフレイヤメタに関しては、自分が得意なヒットスキャンが来たなっていうイメージがあります。『オーバーウォッチ2』初期のヘッショワンパンソジョーンとか、ヒットスキャンで試合をひっくり返せる感じがあって結構自分は好きだったんですよね。今のソジョーンは、チームありきのソジョーンみたいな感じなので、結果的に自分じゃどうしようもできない場面とかも結構訪れるヒーローなんです。逆にフレイヤは、勝つも負けるも自分のせいっていうヒーローなんで、背負いがちな自分にはめっちゃ合ってるなって思って、もうめっちゃ練習しました。フレイヤは日本人プレイヤーで一番使い込んで、一番研究したんじゃないかなって思ってます。
――かなりマップごとのセットアップの練習をされてましたよね。
Nico そのおかげで今日のCOLOSSEOで練習していたセットアップを使って、最後キャリーしたんで。そういう練習が活きて今日勝てたっていうのは嬉しいですね。
――KSG選手、タンク視点ではどのように感じていましたか?
KSG 正直タンクロール以外での新キャラで超オーバーパワーみたいなメタは、今までもあったので、自分のやることはそこまで変わらなかったですね。これは、かなりクレーム寄りなんですけど、音がうるさいキャラ僕あんまり好きじゃなくて(笑)。プレイしてる最中に味方の声が聞こえないっていうのは大前提にあるんですけど、特にスクリムの合間の、お互い待機画面みたいになった時に、Nicoさんがずっとコンボの練習してるんですよ。しかも、Nicoさんは動く相手を撃ちたいから、僕とかを撃ってくるんですね。コーチとかと話してるときに、なんか後ろからずっとパンパンパンパンって鳴ってるんで、もうそれだけはやめてくれって話をしました(笑)。それぐらいちょっと音がうるさいのが、難点だったなと思いますね。
――GRAND FINALSでは試合全体を通して、ルシオをフォーカスしているように感じました。あれはチームでの作戦なのでしょうか?
Nico 特にそういう戦略はなくて、撃てる相手から撃って、倒していくみたいな感じでした。基本的にREJECTの戦い方が、トレーサーがバックラインに来て、正面が突っ込んでくる感じだったので、前にいる相手が、必然的にルシオになって、倒せてるっていう場面が多かったんだと思います。
KSG 作戦も用意しているんですけど、僕たちがより効率よく動こうみたいな意識が今回の『OWCS JAPAN』では結構強かったですね。その結果「ルシオを狙う」みたいな俯瞰で見た時に最適な動きができているように見えていたんだと思います。
――構成や作戦はアドリブで決めていることが多かったんですね。COLOSSEOではNico選手がキャスディ、フレイヤ、ソジョーンをプレイしていましたが、何か使い分けている理由はあるんですか?
Nico この使い分けに関しては、試合中にずっと模索してたんですよ。今のメタは基本的にオリーサとかハザードを主体にして攻めてくるんですけど、COLOSSEOではD.Vaとハザードだったんです。D.Vaはフレイヤに強くて、ハザードはキャスディとソジョーンに強いみたいに相性があって、最初フレイヤで行ったら、相手がD.Vaで「あ、フレイヤ無理だ」ってなったのでキャスディに変えました。そしたらREJECTはD.Vaからハザードに変えてキャスディを倒しに来て、キャスディが無理になったのでソジョーンに変えたけど、パフォーマンスも良い感じじゃないし「フレイヤでキャリーしたろ」って思って最後はフレイヤに決めたっていう感じでした。そんな感じでCOLOSSEOではヒーローを変更していましたね。
――カウンターにカウンターを重ねた結果、どんどんキャラが変わっていたんですね。
Nico そうですね。実は今大会のためにヒットスキャンを練習することはそんなになかったんですよ。トレーサーソンブラの時はキャスディをやろうぐらいの温度感でした。COLOSSEOはもうウェーブごとにヒーローが変わるレベルでピックを変えてましたね。それぐらいREJECTがちゃんと対策をしてカウンターをしてくるので、それのカウンターとして自分もヒーローを変更していました。
――印象的なシーンとして、CIRCUIT ROYALで、YDOT選手の龍撃剣をNico選手がフレイヤのアップドラフトで避けるシーンがありました。あれは狙って避けていたんですか?
Nico 狙っていました。基本的にフレイヤって、ゲンジの龍撃剣に対しては強いんですよ。風切りした後にアップドラフトして、空中でずっと耐えてるだけで、相手のゲンジも困って待ってるだけなので。イメージ通りのプレイができてよかったです。
――次はいよいよ世界大会となります。色々な国と試合をするのは、2023年の『オーバーウォッチ ワールドカップ』以来になりますね。
KSG そうですね。でも、あのときより、着実に全員強くなってると思うので、やっぱり自分たちがどの位置にいるのかを知れるのはすごくワクワクしてますね。
――改めて、自分たちの実力を再確認できる機会になりますね。世界大会に向けての意気込みもお聞かせください。まず、KSG選手からお願いします。
KSG サブロースターも含めて、僕のチームメンバーはみんなめちゃくちゃ強いなっていう実感があるので、ワンタンクとして、うまく次のメタにも適応して、チームの色みたいなのを出していけるように頑張りたいと思っています。
――ワンタンクな部分はかなり大変な部分もありますか?
KSG 結果的にワンタンクという形にはなったんですけど、これはタンクとして実力を信頼してもらえてる部分もあるからこそだと思っているので、チームメンバーの期待に応えられるよう僕もいっぱい練習したいなと思っています。
――次にNico選手、意気込みをお願いします。
Nico 世界1位の地域が隣にあって、そこと毎日スクリムできて。強いチームと触れ合える機会があるので、自分たちは有利な環境にいると思うんですよね。自分たちが世界でどの位置ぐらいの実力にいるのかまだはわかんないんですが、今は勝てる自信しかないです。もう絶対に負けないっていうその気持ちで、とりあえずプレーオフに行きたいですね。最低プレーオフ、ベスト8には入りたいですね。
――最後にファンの方々へ一言お願いします。
Nico いつも応援ありがとうございます。次の世界大会は、もうこの機会っていうのが、いつあるかわかんないっていう状況なので、もう一度日本の『オーバーウォッチ』競技シーンを復活できるような結果にしたいと思ってますので、今後とも応援よろしくお願いします。
KSG 応援ありがとうございます。いつも応援してくださる皆さんと、熱い試合を一緒に共有して、楽しめるぐらい、今から実力をつけて、世界大会で活躍したいと思うので、これからもよろしくお願いします。
――ありがとうございました。世界大会でもVARRELが活躍している姿を楽しみにしています。
▼プロフィール
Nico
『OWCS JAPAN 2025 Stage 2』では、新ヒーローフレイヤを使いこなす姿が印象的であったDPSプレイヤー。GRAND FINALS当日のお昼ご飯はうどん。基本的に大会の日はうどんを食べるようにしている。
KSG
幅広いピックプールでVARRELのタンクを担うプレイヤー。『OWCS JAPAN 2025 Stage 2』でも、状況に合わせてタンクを変更している姿が見られた。GRAND FINALS当日のお昼ご飯はシーチキンおにぎりと南高梅おにぎり。
VARREL優勝記念グッズ
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▼配信元
Twitch :
https://www.twitch.tv/ow_esports_jp
YouTube :
https://www.youtube.com/@OverwatchJP