text by tamo
edit by GAMEZINE
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たゆまぬ努力の先に見た光
真っ直ぐに突き進む王者の道
コスパやタイパが叫ばれる時代にあって、
努力ほど不確定で不透明なものはない。
しかし、やるべき事をやるからこそ結果につながるのもまた事実。
自らの歩みを証明するかのように極みへと駆け上がった若人が、
新たなタイトルに向けて再びの進撃を開始した。
ただ、もう驚くことはない。
その勝利は必然なのだから。
Photo EISYAKEN
※本文は2025年3月20日に発行したGAMEZINE Vol.30に掲載されたインタビューです。
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Vol.30
ポケモンユナイト特集
Mashioインタビュー
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勝てるようになるまでひたすらプレイ 負けず嫌いが上達のコツ
――初めてプレイしたゲームから教えてほしいのですが、どのような思い出がありますか?
兄をはじめ家族がゲーム好きなので、Wii Uやニンテンドー3DSなどが自宅にありました。その中で『ポケットモンスターXY』や『妖怪ウォッチ』など、子どもにとっての王道ソフトを楽しんでいましたね。Nintendo Switchがリリースされてからは、話題のFPSゲームにもハマりました。
――幅が広がっていったわけですね。『ポケモンユナイト(以下、『ポケユナ』)』もリリース直後からプレイされていたのですか?
いえ、しばらく経ってから友だちに誘われて始めました。ただ、なかなか勝てなかったのもあって、最初にプレイした時の事はよく覚えているんです。
――それは意外な感想ですね。
先行してプレイしていた友だちとランクマッチに入ったりすると自然と相手も格上になるので、思ったようなプレイができないんですよね。自分の中では「勝つ=楽しい」という感覚なので、結構モヤモヤしていました。ただ、やっぱり負けっぱなしは嫌だったので、ひたすら試合数をこなして感覚をつかんだことで、次第に勝てるようになっていきました。
大会ごとに湧き上がる上達への思い 自ら名乗りを上げて強豪チームの一員に
――そんなモヤモヤした気持ちを払拭した先には、大会や選手としての活動が待っていたわけですが、改めて選手活動を始められたきっかけを教えてください。
選手活動と言っても、最初はやっぱり楽しむという感覚でやりたいと思っていたんです。それで仲の良いプレイヤーとレタスバーガーというチームを作って、『Winter Tournament 2024』に出場しました。次に『ポケモン竜王戦2024』では本戦で3位になることができまして、楽しみながら結果を出せたことがうれしかったですね
――理想としていたものが現実になったのはなによりですね。そしてその後、『ポケモン竜王戦2024』優勝チームの中心メンバーで結成されたチャンピオンロードに加入するわけですが、その経緯を教えてください。
優勝チームのTONグロウパンチVer.3の中に、年齢制限で次の大会に出られない選手が2人いたんですね。残ったしめぴぃ(pyi選手)たちが大会に出るために選手を探していると聞いたので、自分から「チームに入りたい」とDMを送りました。
――pyi選手をはじめ、TON・GG選手、yumenyan選手といったTONグロウパンチVer.3の面々は、『ポケモンワールドチャンピオンシップ 2023(以下、『WCS』)』で3位になるなど世界を相手に活躍されている選手たちでしたが、自ら手を挙げることにためらいなどはなかったですか?
シンプルに「もっと上手くなりたい」という気持ちしかなかったですね。上手なプレイヤーと一緒にやっていると、自然と上手くなれるというのは分かっていましたから。また、その時はぼくと同じプレイスタイル、アタッカータイプのポケモンを使う別の選手も加入を希望していたようなのですが、その中から選んでもらえたこともあって本当にうれしかったですね。
好きなポケモンと磨きに磨いた超絶技巧 オンリーワンのマクロで仕事を完遂
――ポケモン的に言うならば、サトシの「Mashio、キミに決めた!」というイメージですね。そしてプレイスタイルの話も出ましたが、Mashio選手のポケモンピックについて方向性や理由などを教えてください。
基本的には移動しやすいキャラと言いますか、足が速いポケモンが好きなんです。サササッと行動できると展開の幅が広がりますし、プレイしていて楽しいですね。以前はミュウばかりピックしていたのですが、最近はミライドンとゲッコウガがメインになっています。
――ミュウに至っては4,000回以上プレイしたという履歴も残っていますね。それぞれのポケモンの好きな所を挙げていただけますか?
ミュウは「ミスティークミラージュ」という、使うと無敵状態になれるユナイト技が気に入っています。アタッカータイプは耐久力が弱いんで倒されやすいんですが、この技のおかげで生存確率が上がるんです。ゲッコウガもめちゃめちゃ倒されやすいポケモンなんですが、相手の攻撃をうまくいなしながら立ち回れた時はとても気持ちいいですね。ミライドンは性能がとにかく高いので、相手を圧倒できます。無双状態ですね。
――『ポケユナ』にはたくさんの個性豊かなポケモンが登場して、さらにそれぞれに役割も設定されているので一概にまとめるのは難しいかと思うのですが、Mashio選手が思う『ポケユナ』の強さや上手さとはどのようなものですか?
『ポケユナ』の界隈では「ミクロ」「マクロ」と呼んでいるのですが、勝つためにはまずミクロ、手元での操作がどれだけしっかりとできるかが大事だと思います。ランクマッチでランクやレートを上げていきたいと思ったら、それぞれのポケモンの特性を理解しつつ、操作技術を磨いてほしいですね。ただ、大会に関しては、選手間のミクロで勝敗が決まることはほとんどありません。技術に関してはほとんど差がないレベルなので、マクロ、戦術がカギになってきます。でも…、ぼくはマクロを考えることに関してはあまり得意ではないので、そこはしめぴぃやトンさん、ユメニャンに任せて、大会では彼らが決めた戦術をやり切ることに集中しています。
頼もしい仲間と共にくぐったプロの門 日本を制し、世界の頂点までまっしぐら
――お互いの仕事と言いますか、得意分野を任せ合っているのは信頼感の証のようにも思えます。そしてチャンピオンロードは、2024年7月にFENNELの『ポケユナ』部門に所属することになりました。改めて加入した経緯やチームメンバーについても教えてください。
6月に行われたポケモンジャパンチャンピオンシップス(以下、『PJCS』)2024』で優勝したことが大きかったと思うのですが、チームの方から声を掛けていただきました。メンバーに関しては、しめぴぃはミクロもマクロもハイレベルなんて言葉でも足りないくらいすごくて、本当に世界一のプレイヤーだと思っています。トンさんはミクロもそうですが、マクロがレベチだなって感じることが多いです。視野の広さ、判断の速さは異次元ですね。ユメニャンも視野が広いので、サポート役に向いていると思います。いてくれるだけで安心感がものすごいんです。ルカポーもぼくと同じマクロ<ミクロタイプなんですが、使えるキャラの幅が広いので見習いたいと思っています。セラータは、このチームの中でもー番『ポケユナ』好きです。すごく勝ちにこだわるタイプなので、プレイしている時としていない時で全然印象が変わるんですよね。そんな感じなので、ぼくはセラータのことを『ポケユナ星人』だと思ってます。
――そしてFENNELは、2024年8月にハワイ・ホノルルで開催された、『WCS 2024』で優勝、世界一を成し遂げます。メンバー紹介を聞きながら「世界一になるべくしてなったチーム」だと思わされたのですが、日本予選である『PJCS 2024』から通して、実際にプレイしているMashio選手はどのような心境でしたか?
『PJCS 2024』で優勝した時に、世界大会でも勝てると思いました。チャンピオンロードとして常に日本のトップにいて、他のチームからマークされて研究されて、ものすごいプレッシャーを感じながらも勝ち抜けたので、自分のことながら「FENNELは本当に強いチームなんだ」と再認識したくらいでしたから。また、『PJCS 2024』が終わった時はホッとしましたね。“うれしさ”というよりも“達成感”という方が合っているような気がします。
――世界一の確信を持って臨んだ『WCS 2024』は、決勝戦で韓国のXoraTigersGamingを相手に3-0で勝ち切るなど、まさに圧倒、完勝という印象でした。
日本のチーム相手だと、どうしても対策を優先しなければいけない場面があったりするんです。海外勢相手だとそこまで深く考えすぎなくていいと言うか、シンプルにお互いの力のぶつけ合いになることが多いので、あとはどうチームとして上回っていこうかという感じですね。
――しかしながら、pyi選手は「さすがに優勝した瞬間は頭が真っ白で実感が湧きませんでした」とコメントされていましたが、Mashio選手はいかがでしたか?
高ぶっていたような気もするんですが、意外と落ち着いていたような気がします。というのも3セット目はミュウを使っていて、ガンガンキャリーするというよりは味方のサポートも考えて立ち回っていたので、一歩引いた所から試合を俯瞰して見られていたと思います。
――超大一番でもその冷静さと落ち着き。Mashio選手の持ち味が存分に発揮できたように感じます。ちなみに『WCS 2024』が人生初の海外渡航だったそうですが、大会や過ごした街などどんな思い出がありますか?
『WCS』についてなんですが、大会に参加する選手と観戦者の列が別々になっていなくて、チェックインするために大行列にひたすら並びました。チェックイン後に運営側の公式写真撮影が予定されていたんですが、「間に合うの?」「そもそも選手用の入り口があるもんなんじゃないの?」…とみんなで不安がっていましたね。
ホノルルの歓喜から、さらに成長した姿を披露 再びの頂きに向けて気持ちを乗せた一撃を
――ある意味では、試合よりチェックインの方が大変だったわけですね。無事に参加できてなによりです。そして最後に、次なる目標である『Pokémon UNITE Asia Champions League 2025(以下、『PUACL 2025』)FINALS』についても、意気込みなどを聞かせてください。
どの大会、どの試合でもそうなんですが、やればやるほど負けたくないという気持ちが大きくなっていますね。自分たちの価値を高めるためにも勝ち続けたいですし、新たなタイトルを穫るための準備、努力もしっかりとしているつもりです。ただ、最終的にはモチベーション、気持ちの部分が大事という思いもあります。チームとしてマクロを大切にしながら、ミクロの部分では相手より強い気持ちを持って立ち向かう。個人のスキルで差が付かないなら、「自分でキャリーしてチームを勝たせる」くらいの強気さで押していく事も必要じゃないかと。特に大会は失敗を恐れて消極的になりがちなので、そこで相手を飲み込めたら一気に勝利に近づけます。
――時に熱く、時にクールにというメリハリの意識には、FENNELが、Mashio選手が、常に勝ち続けている理由が改めて凝縮されているようですね。日本だけでなく地球規模で首を狙われる立場になったFENNELがどのような戦いを繰り広げるのか、今後も注目させていただきます。ありがとうございました。
Mashio
2007年9月生まれ。FENNEL ポケモンユナイト部門所属。好きな食べ物は肉料理全般で、ポケユナ以外にはFPSゲームを好んでプレイ。ゲーム以外の趣味は散歩で、ゲームや練習の合間に意識的に外出して気分転換をしている。
【関連リンク】
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