text by feneki
edit by GAMEZINE
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2024年12月14日、15日にKアリーナ横浜で開催された『Riot Games ONE 2024(以下、『RGO』)』にて、2日間の試合を終えたLeviatánの選手、コーチ一同にお越しいただき、合同インタビューとGAMEZINE編集部による独占インタビューを実施した。
「我々はプロとして言い訳をせずに高い水準を保たなければならない」。そう語るLeviatánは14日のDetonatioN FocusMe戦、ZETA DIVISION戦には破れるも、15日のFnatic戦には見事勝利。たった一晩でどのように修正を行って15日の勝利を掴み取ったのか、そしてプロとして競技に向き合うそのストイックな姿勢についても、語ってもらった。(Demon1選手は、かなり体調が優れない中インタビューにご対応いただき、ありがとうございました。)
合同インタビュー(一部抜粋)
――まずは本日の感想を教えてください。
itopataコーチ:昨日の結果を踏まえるとかなり課題が多く目立ちました。特に、時差ボケもあってパフォーマンスが出なかったのだと思います。今日は僕ららしいプレイスタイルを取り戻せて、特にディフェンダーサイドでは良い勝負ができたんじゃないかなと思っています。結果的には全体として今まで過去数週間で練習したことが発揮できてとても嬉しいです。
kiNgg選手:僕もコーチと同じような思いです。この3、4日(の間)PCに全く触れていなかったというのもあって、昨日のマッチでは課題がなかなか多くありました。実は昨日、チームで1時間半ほど会議をしたんです。そこで今日に向けての話し合いをしました。その結果として今日はいつも通りのスクリムで出せるようなパフォーマンスが出ていたので、昨日よりはるかに良かったんじゃないかと思います。
tex選手:今回の大会では勝利出来てとても誇らしい気持ちです。昨日に関してはとても基礎的な部分のミスが多かったのですが、我々はプロとしてそんな言い訳をせず高い水準を保たなくてはいけないと思っています。昨日のチーム会議は今回非常にプラスになったし、なによりFnaticのようなチームに勝ててとても嬉しいし誇らしいです。
Desmoコーチ:僕たちは今回この大会には「学びに来る」という思いで来ました。ここで色々なことを学びつつも、勝利を勝ち取ることができることに関しては純粋に嬉しい気持ちです。また、日本の観客のみなさんのエネルギーの素晴らしさや、ここ日本、横浜でのプレイが素晴らしい経験になりました。今日のマッチに関しては後半にしっかりと巻き返せたのがすごく誇らしいですし、チームメイトにとても感謝しています。
――2022年から2024年に向けていろんな地域、いろんなチームに動きながら活躍してこられたnataNk選手ですが、どのようなモチベーションをもって選手活動を続けていますか?
nataNk選手:選手活動をしているということは僕の夢でした。これで生活ができることを追いかけ続けていたので、モチベーションという意味では、常に今日よりも明日の自分がより良くなっている、より日々学びを得ていくことを意識しながら選手活動を続けています。
――先日パッチノート9.11(※注1)が出ましたが、ネオンのナーフやピンの変更などのパッチノートの変更による競技シーンへの影響に関してどういった感想や予想をお持ちですか?
itopataコーチ:全体としてヘルシーな変化かと思います。特にネオンが過去の環境では独占的なデュエリストになりすぎていたので、デュエリストの選択肢が広がるというのはとても良い変化ですよね。ヴァイスのバフによってセンチネルの選択肢も広がるのもプラスに働くと思います。
※注1:2024年12月10日にネオンやヴァイスのスキルに関するアップデートが行われた。
――Leviatánのユニフォームについて、その背中部分に、Demon1選手のものには悪魔、kiNgg選手には王冠など、後ろにモチーフが入っていますよね。tex選手には雷が、nataNk選手には炎のマークが描かれていますが、そのモチーフになっているものを教えてください。
tex選手:自分は元々オペレーター使いとして知られていて、とにかく素早いキルでチームメイトにも認知されているのでこのようなマークにしています。
nataNk選手:僕の炎は、主にフェニックスをGentle Mates時代からずっと使い続けているので、フェニックスの炎を表しているんです。それ以外にもエネルギッシュさや暖かさ、僕はいつでもウォームアップできていて今試合にいつでも臨んでやるという姿勢を見せるためのマークです。
――C0M選手は今大会もふくめ、大会でのクラッチシチュエーションでの勝率が非常に高いと思うのですが、そういった状況で意識していることや勝つ秘訣を教えてください。
C0M選手:まず、クラッチをする前の状況としてチームメイトが良い環境を作ってくれているので、彼らには感謝しないといけないと思っています。そして、ソーヴァ使いでもあるのでそういった状況に追い込まれてもかなりスキルが残っている、残していることが多く、使うことができます。あとは、普段相手が想像をしないようなプレイをすることも心掛けていますね。そして、今まで大きなステージでたくさんの経験を積んでクラッチを成功させてきた自信が、最もクラッチに繋がっているんじゃないかと思います。
――Demon1選手にお伺いします。新しいチームに加入されて心機一転、新しい環境となったと思います。昨シーズンから何か変わったことや、来シーズンに向けての展望を教えてください。
Demon1選手:変化という意味では特に変化は感じてはいません。本当に仲が良いチームですし、自分自身のプレイを続けているというだけです。来シーズンのゴールという意味では、『VALORANT Champions 2025』を勝つ、ということです。
――最後に日本のファンに向けて一言お願いします。
tex選手:チームメイトからも他のプロ選手からも日本の観客は世界で一番良い観客だと聞いていたんですが、まさにその通りだなと思いました。日本のファンの皆さんはとても愛にあふれていて暖かくて、そして特にミート&グリートの時もリスペクトを忘れないところが印象的でした。間違いなく世界で一番好きなファンです。またここに戻ってきてお会いできることを楽しみにしています。
C0M選手:自分は今大会で、2023年の『VCT 2023 Masters Tokyo』で感じたことと全く同じことを感じることができました。皆さんは本当に心温まるという言葉が適切で、世界中のすべてのファンがそういう方ではない中で、日本のファンは特にチームの成功を常に祈ってくれるので、とても嬉しかったです。
nataNk選手:今回日本に来るのは初めてでしたが、とても楽しかったですし、また日本のこのステージに上がれることを祈っています。あと、日本は今まで行ったことある国の中で一番綺麗な国でした。
Desmoコーチ:今まで日本のファンの皆さんについては良いことしか聞いたことがなかったのですが、それをまた体験することができてとても嬉しいです。ファンの皆さんはリスペクトに溢れていてエネルギッシュで暖かくて、またここ日本で国際大会が開かれることを祈っています。
GAMEZINE独占インタビュー
――昨日の試合の後に1時間半のチーム会議があったとおっしゃっていましたが、可能な範囲で構いませんのでどのような内容だったのかを教えてください。
itopataコーチ:色々な側面で話し合いました。ロールについてもですし、チーム構成についてもです。今回の試合に向けて自分たちにはいくつかの目的があって来たんですが、特に、新しいことに挑戦することになっていました。なので、『RGO』以外にもアビスでクローヴ、バインドでヴァイスを使ったりとトライしている部分がたくさんありました。その中でミスもあったし、基本からやり直さなくてはいけないところもあったので、そういった話をして、今日一応結果を出すことができました。
――試合の後の修正はいつもそういった方法で行っているのですか?
itopataコーチ:大体そんな感じです。まぁ、今日に関してはまだまだ払拭しきれていないミスもあったんですが、結果的には満足しています。
――IGLのkiNgg選手にお伺いします。会議をふまえて今日のパフォーマンスがすごくよかったと皆さんおっしゃっていましたが、点数をつけるとしたら100点中で何点ですか?
kiNgg選手:80点ぐらいかなと思っています。序盤でつまずいてしまったので減点です。あとは、先程も話があったように払拭しきれていないミスが多少ありましたし、好戦的に戦い切れていない場面もありました。そういったミスをすべてカバーして100%のプレイができるようになれば、自分たちの足並みが本当に揃って、全く違ったゲームになると思います。なので、80点というのはちょっとあげすぎかもしれないけど、残りの20%が揃った僕たちは無敵になると思います。
――100%の無敵状態が本当に楽しみですね。今大会中に日本のチームの選手でお話をしたり、お友達になれたりした方という方はいらっしゃいますか?
C0M選手:自分はDetonatioN FocusMeのIGLのArt選手とお話しました。彼はとても優しくて、言いたいことをわざわざきちんと英語に訳して文章にして見せてくれて、すごく嬉しかったです。日本に来るとどうしても言葉の壁があるんですが、そうやって色々な交流ができるのは楽しいです。
――Art選手がとてもフレンドリーというのは、他のプロ選手からもよく聞きますね。それでは最後に、来シーズン、ライバルになりそうなチームはどこかありますか?
Demon1選手:自分的には、今突出して強いチームはいないという印象ですね。現時点ではどこにでもミスはあって、穴が見つけられると思うので、どこかひとつがライバルになるというのは今ちょっと思いつかないかな。
Desmoコーチ:自分はライバルということはあまり考えないようにしています。相手を主体に考えるのではなくて、自分たちを主体に考えるのが大事だと思っているんです。自分たちが自分たちなりに成長ができれば、強くなると思うので、ライバルを倒すという意気込みはないですね。
nataNk選手:まぁ、自分も同じで敵は自分達だと思うようにしています。というのも、自分たちが成功しても、良いシーズンを送れなくても、それは自分たちにすべて返ってくると思うんですね。なので、すべては自分たちにかかっている。自分たちのレベルをどこまで上げられるかで強さというのは出していけるのだと思います。
――己だけを見つめて日々鍛錬する姿は、まさしくプロフェッショナルですね。
ライバルは自分自身。他の者には目もくれず、ただ己の強さを追求している彼らの、チャレンジングな姿勢の裏にはその情熱と自信、そしてプロとして真摯に競技に向き合う丁寧さがあった。今大会では初日からは万全な状態で望めなかったかもしれないが、まもなく始まるシーズンに向けて整えられた、100%で無敵な彼らのパフォーマンスに注目したい。