2024年12月26日(木)、JR原宿から徒歩4分 東急プラザ原宿「ハラカド」 地下1階 「チカイチ」内 『小杉湯』にて、2017年にGAMEZINEが取材した格闘ゲームの招待制エキシビションマッチ 『風呂餓狼』が『餓狼 MARK OF THE WOLVES』26周年に向け『スーパー風呂餓狼』としてパワーアップし蘇った。今回の『スーパー風呂餓狼』は前回と違い、トーナメントだけでなく銭湯という空間を体感できるイベントになった。

『風呂餓狼』がパワーアップした『スーパー風呂餓狼』に!

今回の『スーパー風呂餓狼』では、銭湯の外にある共有スペースもつかえるようになり前回からパワーアップ。共有スペースには、くつろげる広い空間、営業中のお店そのままのドリンクコーナーの他にも大きなモニターが繋がれた対戦台やマットコントローラーがつながれた対戦台があり、イベントが開催する前から参加者は盛り上がっていた。

オフイベントに精力的に参加し、布教活動を行っているまはふらい氏が個人購入した基板を持ち込んで設置した『ブレイカーズリベンジ死嘩護』の対戦台は大きなスクリーンと繋がれており休憩室でも対戦が楽しめた。


共有スペースには、マットコントローラーが繋がれた対戦台もあり、足でコマンドを入力するという新たな体験もできた。

イベント会場である『小杉湯』の男湯

イベント会場である『小杉湯』の男湯ではひよこのおもちゃが浮かべられたミルク風呂と参加者の推しのグッズが並べられた浴槽があり、参加者は会場をデコレーションし楽しんでいた。また、機材にはビニールがかけられており、絶対に濡らさないという主催者の気合いが感じられた。今回のイベントでは『餓狼 MARK OF THE WOLVES』のキャラのコスプレイヤーも登場した。

ひよこのおもちゃが浮かべられた浴槽

ひよこのおもちゃが浮かべられたミルク風呂


参加者の推しグッズが並べられた浴槽


イベントには欠かせない機材。機材の近くのシャワーからも蛇口をひねればお湯が出てくるので、間違って当たってお湯を出さないように細心の注意を払っていた。


『餓狼 MARK OF THE WOLVES』からロック・ハワードと双葉ほたるが参加した。

『スーパー風呂餓狼』大会開始!

ついに、『スーパー風呂餓狼』が始まった!トップバッターはゲームセンターの店舗形態の多様性に着目しつつ、社会に根付いた過程と要因を調査研究しているギルダン氏の「風呂(銭湯)とゲーム(や娯楽)文化との関わり」の変遷について講演であった。参加者は浴槽につかり、リラックスしながら講演を聴いていた。大会はシングルエリミネーション、全8名の参加者によって行われた。各試合は特別ルールを追加したり、試合前にミニゲームの結果によって有利不利を作ったりと普段の大会とはひと味違う大会となっていた。通常とは違うルールに参加者は戸惑いつつも心から楽しんでいた。

『スーパー風呂餓狼』のトップバッターを務めたギルダン氏の講演。

第1回戦

鏡が対面してあるという銭湯によくある特徴を生かし、対面の鏡を通してゲーム画面を見てプレイするという特別ルールが適用された試合であった。鏡の特徴上、左右が逆になるためプレイヤーはコマンドを左右逆にいれる必要があり、試合中には「俺出してない!」という声が上がると同時に、笑い声に包まれた。

鏡越しからのゲーム画面。左右が逆であることだけでなく、ゲーム画面が遠いという点もまたプレイが難しくなる点であった。

第2回戦

銭湯といえば「マッサージ機!」ということで、第2回戦ではマッサージ機をつけての対戦となった。マッサージ機の種類は肩だけでだけでなく目の周りをマッサージするものなど豊富であった。試合中には突然、マッサージ機の強さや充てる場所が変わるときなどには「うぉっ!」っと思わず声が出てしまうこともあった。最後には「ナイスマッサージ!」という言葉とともに試合が終わった。

第3回戦

今回は『利きエナジードリンク』というミニゲームが行われた。このミニゲームはプレイヤーは2つのエナジードリンクを見ることなく味だけでどのエナジードリンクであるか当てるというミニゲームであった。プレイヤーの回答は2つに分かれる結果となり、間違えたプレイヤーは大きなハンデを背負うことになった。

第4回戦

この試合でもミニゲームが行われた。今回のミニゲームはひらがなが1文字書かれたカードが桶に浮かべられており、プレイヤーは交互にカードを取り合い、そのひらがなでキャラの名前を作るというものであった。プレイヤーはミニゲームで作った名前にキャラを使用し対戦する必要があった。不慣れなキャラを使わざるを得ない中、『ケビン』、『カイン』という強キャラを完成させた相手に対して不利なキャラではあるもののテリー使いのプレイヤーが「て」、「り」、「い」を揃え、メイン使用キャラである『テリー』を使うことができるようになった際には笑い声と歓声に包まれた。そのため、不利なキャラが勝利した際には「風呂場の馬鹿力だ!」という名言?も生まれた。

第5回戦

最後のミニゲームが行われた。今回は『リフトイット!』という頭に釣り針を付け、お題のカードに描かれた形に合わせて、釣り針で積み上げるゲームであり、参加者は頭を地面すれすれに近づけながら必死にミニゲームに取り組んでいた。

制限時間内に図形が完成した時には拍手が起こった。

決勝

決勝では、操作には特別なルールはなくガチンコ勝負が行われた。白熱した決勝の結果は主催者のコロッサス氏になり、前回大会から2連覇となった。

大会後には、参加者全員で銭湯を清掃し『スーパー風呂餓狼』は幕を閉じた。

主催者のコロッサス氏によると今回の『スーパー風呂餓狼』のように銭湯を会場として行うことは簡単でないらしく、事前準備が非常に大変であったそうだ。今大会は前回大会と違い大会中に入浴したりすることなどはなかったが、銭湯ならではの特別ルールやミニゲームなどを導入することによって、参加者が楽しめていたと思う。なお、今回のイベントは、小杉湯で長年働いたスタッフが運営スタッフにおり、その縁で実現に至ったとのこと。今回が前回と大きく違ったように、第3回が行われる時にはどのような姿になるのか非常に楽しみである。また、1999年に発売された『餓狼 MARK OF THE WOLVES』が26年の時を経て、シリーズ最新作『餓狼伝説 City of the Wolves』として2025年4月24日に発売が決定している。こちらにも注目しておきたい。

※本来、風呂場でのゲーム、電子機器の使用は感電するおそれがあり大変危険です。

リンク

『小杉湯』 https://kosugiyu.co.jp/

コスプレイヤー
ゆきすいっちさん(双葉ほたる) https://x.com/yukiswitch422
Apolloさん(ロック・ハワード) https://x.com/R_apollo_san

主催者
コロッサスさん https://x.com/nameneko21

講演者
ギルダンさん https://x.com/Vandagill

参加者
まふらいさん https://x.com/kenzzy_grc

前回大会 https://gamezine.jp/11231/