text by rooibos
edit by GAMEZINE
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eスポーツ業界で働く方々のリアルな言葉『GLOE株式会社 清水夢斗』
熱意を『行動』に。eスポーツのイベント制作会社が求める人間像とは。
将来、eスポーツ業界を目指す学生や転職活動中の方に向けて、GLOE株式会社(以下、『GLOE』とする)に協力してもらい、どんな仕事内容なのか、どんな方がeスポーツ業界に向いているのかを本記事では、GLOEで進行領域のイベント制作に携わる、清水さんにお話を聞きました。
――本日はよろしくお願いします。早速ですが、ゲームを始めたきっかけやハマったゲームを教えてください。
4歳の頃によくアニメで観ていた『ポケットモンスター』がきっかけで、ゲームの『ポケットモンスター ピカチュウ』を買ってもらいました。まだ自分で考えてプレイできる年齢ではなかったので、母親に進めてもらい、それを見て楽しんでいました。自分がドハマりしたゲームは『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周』ですね。高校からは『Call of Duty』シリーズにずっと熱中していました。
――4歳からゲームをやっていたとは、かなりの英才教育ですね。そんな幼い頃から熱中してきたゲームを「仕事」にした理由は何でしょうか?
興味をもてない状態で仕事を頑張るより、自分が好きなゲームに関する仕事で頑張りたいと考えたのが理由です。中学から10年バレーボールをやってたのですが、高校・大学ともにスポーツ推薦で進学してきたので、勉強にはあまり力を入れてきませんでした。ゲーム業界に入るにはデザイナーやプログラマーになる必要があると思っていたので、そのために必要な勉強がなかなかできず、結果的に新卒でゲームとは全然関係のない業界に就職しました。仕事ってどれも甘くないとは思うんですが、仕事内容の厳しさに加え、興味関心をもとうとしてもゲームほど熱中できなかったため非常に辛かったのを覚えています。それならば、ここで社会人としてのスキルを身に着けた上で、やっぱり自分が好きなゲームを「仕事」にしようと思いました。
――「好き」を仕事にできるのは、やはり理想ですよね。GLOEには、どのようにして入社されたのでしょうか?
1社目を退職後、上京してe-sports SQUARE(当時「e-sports SQUARE AKIHABARA」)で、アルバイトを始めました。その時のeスポーツは黎明期かそれより前段階でして、業界に入ること自体かなり難しく、特に当時のGLOEの前身*で当時e-sports SQUAREを運営していたRIZeSTは入社の難易度が相当高い雰囲気がありました。ですので、e-sports SQUAREでのアルバイトは、ある意味「修行の場」のような存在でした。
*RIZeSTは、2021年にウェルプレイド株式会社と合併し、ウェルプレイド・ライゼスト株式会社となり、2024年に現在のGLOEへ商号を変更した。
e-sports SQUAREに務めた2年半のうち、はじめは技術領域を覚えることが大半でしたが、1年経った段階でなにをやりたいか考えたところ、自分には技術職や営業職ではなく、制作進行の方が合っていると思い、勉強し始めました。
そんな中、あるゲームイベントで「人員が足りないからきてくれ」と言われて参加した事がありました。そこで現社長でもある古澤の講演を聴いて、本当に感銘を受け、自分の中で「どうしてもRIZeSTに入社したい」と思うようになりました。その後、沢山の先輩方に支えられ、ノウハウを吸収することで実績を積むことができ、入社することができたんだと思っています。
ーー蓄積されるノウハウが大事なんですね。現在のGLOEでの役割とお仕事の内容について教えてください。
現在はプロデューサー兼ディレクターとして、様々な大会やイベントに携わっています。具体的には、イベント制作、大会運営、ライブ配信やそれに紐付く様々な仕事、大会ルールや規則の設定、ライブ配信のクリエイティブディレクション、キャスティングなど、様々な業務に携わっています。
好きなゲームタイトルやキャスター、ストリーマーの方とコンテンツを「一緒に創り」、たくさんの人に「感動を届ける」ためのチャレンジを行っています。
――幅広い業務に携わられているのですね。特に記憶に残っている大会は何でしょうか?
『PUBG JAPAN SERIES(以下、『PJS』とする)』はかなり印象に残っていますね。私はSeason 1からゲームオブザーバーとして裏方として携わらせて頂き、Season 6ではディレクターとしてディレクション業務のお手伝いをさせて頂きました。
これまで色々な大会に携わらせて頂きましたが、選手・コミュニティ・スポンサー・運営制作チームがそれぞれをリスペクトし合い、日本トップクラスの熱量に溢れた大会は未だ出てきていないと個人的に思っています。
また、選手が競技活動に専念できるよう法人化したチームでの参加が義務付けられ、その働きがeスポーツ界全体に広まったきっかけとなりました。
――それは大きな仕事ですね。他にやりがいはありますか?
配信上のコメントや実際に来場されたお客様の表情など、いろいろな反応を直接受け取ることができるのが、私にとってのやりがいです。イベントは規模が大きければ大きいほど、業務の量が増えていき、忙しくなります。そのような中でも、「おもしろかった」という反応をお客様から直接受け取れるのは嬉しくて心にグッときますし、これまでの努力が実ったと実感します。
――ありがとうございます。清水さんは、イベント制作をする上でどんな方と一緒に働きたいですか?
ゲームが好き、ゲームへの熱意が高い、ということは前提として、「ポジティブ思考の人」と「自分の考えをしっかり発言できる人」と一緒に働きたいですね。というのも、イベント制作はとにかく前向きに考えられないと大変な部分があります。さらに、指示されたものをただ創るのではなく、「お客様と一緒に良いものを創りたい」という気持ちが大切です。お客様と対話しながらよりよいものをつきつめ、それがコミュニティに評価される、というのが正解だと思っています。そういう意味で、自分の思考を外側へ発信できる人が必要ですね。
――最後に、eスポーツ業界を目指す学生や転職活動中の方に向けて一言お願いします。
eスポーツ業界はぱっと見、一括りにされますが、実際は違っていて、中を覗くと本当に様々な職種・領域があります。実際に私も、面接で「あなたは何がしたい?」と聞かれて言いよどんでしまってハッとした経験があります。私は入社して7年目になりますが、いつか振り返ったときに自分達が残したものが歴史として語り継がれていることを目指して、日々活動しています。この業界に興味を持つ皆さんは、熱意を言葉にするだけでなく、是非「行動」してみてください。
GLOE 清水さん Profile
株式会社GLOE 所属。山口県出身の30歳。e-sports SQUAREでのアルバイトを経て、GLOEに入社。197cmを活かして、大学までバレーボール部で大活躍。趣味は2ヶ月に1度行くディズニー。
◇GLOEの採用ページ
GLOEでは『ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。』をコンセプトに世の中にある様々な課題を解決することを目指しています。ゲームが持つ可能性を信じ、価値感さえも変えていくような世界を一緒に作っていきませんか?