text by mitomi
edit by GAMEZINE
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eスポーツ業界で働く方々のリアルな言葉『GLOE株式会社 笠原聡』
発展途中の業界の中で、常にチャレンジをするために何を考えているのか
本記事では、将来、eスポーツ業界を目指す学生や転職活動中の方に向けて、GLOE株式会社(以下、『GLOE』とする)に協力してもらい、どんな仕事内容なのか、どんな方がeスポーツ業界に向いているのか、GLOEのクライアントワーク事業部長である笠原さんにお話を伺いました。
――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、笠原さんの生い立ちからお伺いします。はじめて触れたゲームは何でしょうか?
ゲーム自体は小学生のときに『ファミリーコンピュータ』が流行っていて、友人の家に行った際よく遊んでいたのを覚えています。初めてしたゲームは覚えていないのですが、今でも印象に記憶に残ってるのは、『くにおくんのドッジボールだよ全員集合!』をはじめとした『くにおくんシリーズ』ですね。いわゆる『ドラゴンクエスト』のような、コマンド系のゲームはあんま得意ではなかった記憶があります。
――小さいころからゲームに触れてきたとのことですが、ゲームを仕事にしたいと思ったきっかけは何でしょうか?
デザイン系の専門学校を卒業した後、雑貨メーカーや印刷会社でのデザイナーからに営業に転籍し、宝石メーカー飲料メーカーさんの案件などをしていましたがたまたまその後入社するクリエイティブエージェンシーの案件で『東京ゲームショウ2013』でEAの『バトルフィールド4』のノベルティー制作、オリジナルレーション缶の企画制作をし、そこで改めてゲームの仕事をしたいと思いました。
――GLOEに入社される前から多くのeスポーツに携わられたと思いますが、どのように入社されたのでしょうか。
最初はクリエイティブエージェンシーに勤務していました。そこから『株式会社プレイブレーン(以下、プレイブレーン)』を社長のマイケル・シータルと立ち上げまして、大手グローバルIPの案件にかかわり、約6年勤務をしていました。1回他の業界も考えたのですが、改めて自分のキャリアを考えたとき、たまたま弊社代表の谷田と話す機会があり、「ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。/ We are the GAMING LIFESTYLE Company.」というコンセプトに共感して入社を決めました。
――それでは、現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。
私というよりはクライアントワーク事業部における仕事の内容になりますが、私達は主にゲーム会社さん、VTuberさん、プロチームや行政からのご依頼を受けています。基本的にはゲームが主軸になった配信イベント、オフラインのイベント制作やサポートを行っています。直近のタイトルで言うと『VALORANT』『フォートナイト』などのFPSゲームから、格闘ゲーム、ライトなパズルゲームなど、幅広いゲームの案件をいただいています。内容としては、インフルエンサーさんを活用したゲームPR案件や、イベントのコンセプト制作から配信のデザイン、配信実務作業、ゲーム会社公式のコミュニティのDiscord運用、大会ルールの作成・運用など、eスポーツ・ゲームコミュニティ運営に関するほぼ全てのことに携わっています。
――そんないろいろな仕事の中で、笠原さんにとってのやりがいは何でしょうか?
私のやりがいは、自分たちがゲーム会社様や事業会社様からいただいた依頼の中でイベント参加者の方、視聴者さん、演者さん、クライアントさんなど、関わった人に一番喜んでいただいたときにやりがいというものを感じます。
――やはり、関わっている人やコンテンツを届けた人に喜んでもらえた瞬間はうれしいですよね。ちなみに、今まで行われたお仕事の中で印象に残ってるお仕事はありますか?
配信ディレクターとして関わらせていただいたeスポーツ大会で印象に残っていることがあります。長いシーズンを戦っている選手たちは一つ一つの試合に対しての勝ち負けにすごいこだわっているんです。勝負が決まったとき間近に見える表情や、選手にインタビューや試合前の立ち話などで個々が背負っているバックグラウンドを聞いた上での試合の結果などを、ありありと現場で見ることができたことが印象的でした。合わせて様々なタイトルのキャスターの方々とお話をする機会も多く、タイトルに対しての思いや、実況解説の仕方をディスカッションしたのも、非常に充実した時間でした。
――様々な選手・キャスターの方と苦節を共にされてきたのですね。これまで働いてきた中で何か特に意識している部分はありますか?
一つは、大会を運営する側として「プレイヤーファーストでありつつ、配信上でプレイヤーがいかに輝いているように見せるか」です。その点はキャスターの方たちとよく話し合い、どのように話すかを議論しながら決定していきます。
もう一つは配信で見せる映像ですね。オーバーレイ一つとっても、視聴者の人たちがそれを見てこの今起きている状況だったり、選手の意図みたいなところが伝わるような配信を常に考えながらやっていました。具体例でいうと、選手カメラです。配信であれば、その選手がゲームの中で一番感情を表すシーンなど、ゲームとその選手の表情が見せられるように意識していました。
また、選手の試合前にコミュニケーションを取らせていただいている中で、インタビュー内容でもどうやったらその選手の魅力が引き出せるか、選手が考えたことを上手く引き出せるかというところは常に考えています。
――ありがとうございます。今回はeスポーツ業界に転職したい方に向けてインタビュー記事を執筆しているのですが、こんな方にぜひGLOEに来てほしいという理想像などはありますか?
結構難しい質問ですね(笑)。多くの方は「eスポーツに関わりたい」「プロプレイヤーと関わりたい」など、漠然としたものをもっている状態だと思うんです。
ですが、eスポーツという、まだまだ発展途中の業界の中で、僕たちがやることって常にチャレンジをしなくてはいけないと考えています。
そのため、このゲームが好きだという感情だけではなく、好きだということをいかに多くの人に伝えられて、eスポーツを仕事にできるようにするにはどうすればいいか考えて、行動できる人がいいですね。
やはり仕事なので、「その視聴者に楽しんでもらうためにはどうするか」「ファンとゲームをどうやってつなげるか」「どうすればゲームの売上高やファンが増えるのか」というところを常に意識しています。
「私が好きだからあなたも好きでしょ」というわけにもいかないので、「自分の好き」を客観的な視点でモノが見れるといいのかなと思います。
――最後に、eスポーツ業界に興味がある方にメッセージをいただければと思います。
結構いろんな方がいらっしゃるので、これをやっておくといいというのは言い難いのですが…(笑)、とにかくいろいろなこと、ゲーム以外のこともやるといいかと思います。
ゲームって時間があればあるほどできますし、仲間がいればなおさら長時間できますよね。そういった自分と同じゲーム好きだけではなく、それこそ音楽が好きだったりアニメが好きだったり、スポーツが好きだったりっていう人に対しても「自分の好きなものをどう伝えられればいいのか」を常に考え、行動や言葉にできるようにしていくことが、eスポーツ業界で働く上での力になるかと思います。
すごく厳しいことを言うと、ゲームが好きというだけではeスポーツ業界に入れるわけではないので、自分の能力を知ったり、コミュニケーション面を常に磨いていかないと厳しいですね。
eスポーツも含め、ゲームはコミュニケーションツールとしてすごく優秀な側面を持っていると考えています。自分がそのゲームを楽しむだけではなく、ゲームが持つ可能性や効果をいろいろ考えられると、すごくいい仕事ができると思いますよ。
――ありがとうございました。
GLOE 笠原聡 Profile
株式会社GLOE の社員。長野県出身の43歳。
デザインの専門学校に入学と同時に上京。eスポーツに関わって10年、株式会社GLOEには1年半前に入社した。最近は、『League of Legends』ばかりプレイしている。趣味は料理と釣り。
◇GLOE採用ページ
GLOEでは『ゲームをきっかけに人と社会をHAPPYにする。』をコンセプトに世の中にある様々な課題を解決することを目指しています。ゲームが持つ可能性を信じ、価値感さえも変えていくような世界を一緒に作っていきましょう。