Photo Jun Kawakami

 2024年10月19日、20日の2日間、ドイツ・ベルリンにて行われる世界最大の『VALORANT』オフシーズントーナメント『Red Bull Home Ground World Final 2024』への出場をかけたアジア太平洋地域の予選『Red Bull Home Ground 2024 APAC Qualifier』が、昨年に引き続き、大相撲の舞台である両国国技館にて開催された。今大会では、アジア太平洋地域の強豪招待チーム5チームと8月22日から10月9日にかけて行われた日本予選を勝ち抜いた1チームの計6チームが観客の熱気を360度全方位から受ける中、競い合った。

《出場チーム》

・ZETA DIVISION (日本、招待チーム)
・DetonatioN FocusMe (日本、招待チーム)
・T1 (韓国、招待チーム)
・Talon Esports (タイ、招待チーム)
・Rex Regum Qeon (インドネシア、招待チーム)
・CREST GAMING Zst (日本、日本予選 勝者チーム)

会場の外の様子

 大会当日の朝、両国国技館は多くのVALORANTのファンによって、埋め尽くされていた。開場前には、JR両国駅付近にまで長蛇の列ができており、自分の好きなチームの話や期待する選手の話などで盛り上がっていた。

大会当日の朝、開場1時間前の両国国技館の様子

 そのほかにも、Red Bullの塗装がされた車が会場の周りを走ったり、チーム名の当て字とチームロゴがデザインされた幟旗が正門に掲げられたりと両国国技館だけでなく、会場周辺までVALORANT一色であった。

参加チームのロゴと当て字がデザインされた幟旗


2日目には、Red Bullの塗装がされた車が両国国技館の周りを走行していた。

会場の様子

 会場の周りを満喫した後、会場に入場すると正面に本大会のロゴや参加チームのチームロゴが描かれた巨大パネルが観客を迎える形になっており、記念撮影する人が多くいた。

巨大パネルまでの通路の左右には各参加チームのブースがあり、試合と試合の間の休憩時間には、各チームの物販、ファンミーティングやサイン会に多くの人が訪れ、ブースごとに盛り上り人で溢れていた。


観客が自前の選手名やチーム名を書いたパネルを持参し応援に来ていた。


RRQのブースで行われたサイン会

ステージや観客席の様子

 会場に入ると巨大スクリーンが目に飛び込んでくる。会場はアリーナ席、1階と2階に別れており、胸に響くような爆音のBGMが場内に流れており、観客を興奮させていた。

 場内は、椅子席であるアリーナと2階、両国国技館ならではの枡席で構成されており、今大会では学生限定の1枠4,000円という格安の学生枡席やZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMeの応援グッズがもらえるホームグラウンド席など、一般席以外にも特徴的な席が用意されていた。枡席では、4人では少し狭いようにも見えたが、それよりも大会を枡席で見るという新鮮さが勝っていたようにも見えた。

ステージから最も近いアリーナ席から応戦するファンの人たち。会場では手をたたいたり、声を出したりと観客の応援が選手の力になった。


両国国技館ならではの枡席からの様子。観客は姿勢を変えつつ大会を楽しんだ。


ZETA DIVISIONの応援グッズである法被を羽織り、ZETA DIVISIONを応援するファン。ZETA DIVISIONを熱く盛り上げていた。

 

DetonatioN FocusMeの応援グッズであるベースボールシャツを着て、DetonatioN FocusMeを応援するファン。会場の一角を青く染め上げた。

 また、1階の後方の一角で、SHAKAさん、Clutch_FiさんとSurugaMonkeyさんによるをウォッチパーティーが行われていた。

SurugaMonkeyさん(左)、SHAKAさん(右)

 大会は大きなインターバルをとることなく進んでいくため、観客は試合中や休憩中に食事をとる必要があった。会場西側出口には、タコスやピザ、巻きずしなど様々なキッチンカーが会場に止まっており、観客もその時の自分の気分にあった食事をとることができた。その中でも、配信者であるけんきさんと夜よいちさんがカレーをよそってもらえるK summitはけんきさんと夜よいちさんを一目見ようと、常に列が絶えず大人気であった。

けんきさんと夜よいちさんにカレーをよそってもらえるK summitは常に列が絶えなかった。

 今大会では、会場内のいたるところで、Red Bullのバックを背負った売り子がRed Bullを1本 400円で販売していた。会場では、Red Bullの商品を購入することで2枚集めると限定グッズが当たる抽選に1回挑戦できる引換券をもらえた。そのためRed Bullを買っているのか引き換え券を買っているのかわからなくなっている人さえいた。

会場の至る所に、Red Bullのバックを背負いRed Bullを売る可愛いお姉さんや陽気なお兄さんが会場の観客に翼を授けていた。

 会場ではホロライブに所属するVTuberである獅白ぼたんさんがZETA DIVISIONコラボや自身の自由な発想を具現化したオリジナル・モクテルを飲むことができ、一味違った特別なRed Bullを味わうことができた。

オリジナル・モクテル レッドブル GG‼と引換券

試合結果

 会場は選手の入場が始まると観客のボルテージは少しづつ上がっていく。第1試合は観客の声は緊張もあったためか小さめであったが、第1試合が終わるころには、観客の緊張もほぐれ、選手のスーパープレイが出るたびに大歓声によって会場が震えた。

1日目試合結果

グループ予選
RRQ vs DFM
HAVEN 13 – 10

ZETA vs CGZ
HAVEN 13 – 8

TLN vs RRQ   
SUNSET 13 – 11

ZETA vs T1     
LOTUS 13 – 7

TLN vs DFM   
LOTUS 10 – 13

T1 vs CGZ       
BIND 13 -10

 優勝候補であったTALONがグループ予選落ちをし、DetonatioN FocusMeが準決勝に進んだことに日本のファンは声を上げて喜んだ。

グループ抜け濃厚と言われていたTALONに勝利を収め2日目に繋げたDFM

準決勝
T1 vs RRQ     
ASCENT 13 – 3
ICEBOX 12 – 9

 ZETA DIVISION戦では、T1はこのメンバーになってから1週間しか練習していなかったこともあり苦戦を強いられたが、3試合目であったRRQ戦では、調子を完全に取り戻し、危なげなく準決勝に進んだ
 準決勝では完全に調子を取り戻したT1。写真は、過去に日本のチームでもプレイをしたizu選手(写真の奥)。

2日目試合結果

準決勝
ZETA vs DFM   
HAVEN 7 – 13
SUNSET 13 – 6
HAVEN 15 -13

 1日目の激戦を終え、2日目に進出できたのは、T1、 ZETA DIVISION、 DetonatioN FocusMeであり、この日最初の試合は、ZETA DIVISION vs DetonatioN FocusMeという日本チーム同士の対決であった。この日の熱気は1日目を遙かに超えていた。両チームは1ラウンド取られたら取り返すシーソーゲームを繰り広げ、実力は拮抗していた。この日本を引っ張ってきた2チームの対決は第3マップのオーバータイムにまでもつれ込んだ。マッチポイントに先にたどり着いたのはDetonatioN FocusMeであったが、最終的にはZETA DIVISIONがDetonatioN FocusMeに追いつき、勝利した。ZETA DIVISIONはT1の待つ決勝に駒を進めた。

日本人全員が見たかった日本チーム同士の戦いであり、第3マップではオーバータイムにまでもつれ込む激戦を繰り広げた。

ショーマッチ
Team RED vs Team BLUE ABYSS 6 – 13 

Team RED
Governor (TLN)
Monyet (RRQ)
Kush (RRQ)
Brofeld (CGZ)
Jinboong (DFM)

Team BLUE
JitboyS (TLN)
Primmie (TLN)
bazz (CCZ)
Jemkin (RRQ)
gyen (DFM)

 ショーマッチでは、TALON、CREST GAMING Zest、RRQの3チームからランダムに選出されたTeam REDとTeam BULEによる試合が行われた。普段では見られない選手のコンビネーションがみられた。

普段は敵として戦う選手とともに勝利を目指した。写真は、普段はRRQのMonyet選手。

決勝
T1 vs ZETA
HAVEN 13 – 10
ACENT 13 – 5
SUNSET 13 – 7
BIND 13 – 3

 ここまで全勝のZETA DIVISIONとグループ予選ではZETA DIVISIONに惜しくも負けてしまったT1の戦いになった。完全に調子を取り戻したT1に苦戦を強いられた。第1マップ、第2マップをとられ、メンタル的にも苦しい中、なんとか一本、第3マップをとることができたが、第4マップではT1に押し切られた。優勝を果たし喜びを分かち合うT1の選手たち。トロフィーを持つのはMVPのstax選手。

T1の勢いに負けずに声を出し、チームで戦うZETA DIVISION。


優勝を果たし喜びを分かち合うT1の選手たち。トロフィーを持つのはMVPのstax選手。

 

2日間に渡る6チームによる激戦の結果は、T1の優勝という形で幕を閉じた。
MVPはstax選手となった。T1には、ベルリンの地でもう一度トロフィーを掲げて欲しいと思う。

Red Bull Home Ground 2024 APAC Qualifierのアーカイブ配信はこちら
1日目 https://www.youtube.com/watch?v=ah66DnyC9NU
2日目 https://www.youtube.com/watch?v=Kl7DXg0oM5s&t=16697s