一人一人が主役の『お祭り』を支える立役者

※本文は2024年8月26日に発行したGAMEZINE Vol.28に掲載されたインタビューです。フリーマガジン「GAMEZINE Vol.28」のダウンロードはこちら

――現在はコミュニティの中心にいると言っても良いと思いますが、その始まりからお聞かせください。スマブラコミュニティに関わり始めたのはいつ頃からですか?

もともと参加していた『宅オフ(※)』経由で2015年の『ウメブラ14』に招待していただいたのですが、その際モニターを片づけるなど、少し手伝わせていただいたんです。そこからいろんな大会の運営を手伝うようになって、そのうち大きなことも任せてもらうようになっていき、2019年には『EVO Japan 2019』の運営にも携わることができました。

(※)プレイヤーの自宅で行う対戦会

――大会運営のスタッフに魅力を感じた点はどのようなところでしょうか?

学園祭の準備みたいなものだと感じた点でしょうか。上の人に命令されるんじゃなくて、そのゲームの好きな人が集まって1つのものを作る、そういう場がすごく面白くて大会運営をやっています。

――今では日本最大級のオフ大会になった『篝火』ですが、この大会を主催しようと思ったきっかけを教えてください。

『篝火』を始めた当時は、新型コロナウイルスの流行により、オフ大会が無くなってしまったので、オンラインの招待制大会を行いました。でも、あまりしっくりこなかったんです。
「じゃあ、オフ大会ってなんで良かったのかな?」と考えた結果「現実の空間で非日常の体験をするのがコミュニティの活性につながってるのでは?」という結論に至りました。原始的なお祭りって、コミュニティに対して『ハレとケ』のリズムで活性化、成長・互いの結びつきを強くしてきた機能があるんです。それって『大乱闘スマッシュブラザーズ』のオフ大会も同じような役割を持つのではと思い、大会名を「火を囲むお祭り」をイメージした『篝火』にし、ロゴや雰囲気も統一させました。

――大会を主催する上で上で意識していることはありますか?

大会の主体になるのは参加者一人一人なので、余計なことはしないよう意識しています。
運営側の話で言うと、スタッフには「こうしてくれ」と指示することは少ないですね。
細かい部分は自分である程度意思決定をしてもらっているので、主体性のある人が育っていると思います。

――コミュニティリーダーとして、今後はこのコミュニティをどのように発展させていきたいですか?

お祭りという面では、原点に返って、オフ大会の「スマブラらしさ」を濃くしていきたいと考えています。今の大会は数字的には発展しているように見えるけど、そんな数字的な発展はどこかで限界が来ると思うんです。だからこそ、参加者個人が自主性を発揮できる、「スマブラらしさ」を発揮できるような場所にしていきたいですね。あとは、競技的な面でいうと、選手が「真剣に勝ちたい」と思える場所をこれからも作っていきたいです。真剣な人間が集まるとドラマって自然に出てくると思っているので、真剣になって競技をやってくれる人が競技の最前列であって欲しいという想いを持って大会運営を行っています。

【プロフィール】

ぬくぬく
国内最大級の大会である『篝火』の主催者で、且つ、その他の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』イベントスタッフも務める裏方。趣味は神社巡りと合気道。2015年から大会運営などのコミュニティ活動を開始。

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