text by Yama
edit by GAMEZINE
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「自分でもやっていいんだ」が作り出す
私たちのコミュニティ
Photo Darimoko、sakyo
※本文は2024年8月26日に発行したGAMEZINE Vol.28に掲載されたインタビューです。フリーマガジン「GAMEZINE Vol.28」のダウンロードはこちら
No.28
悲願の世界一へと全速前進
ミーヤー選手 インタビュー
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1.選手・ストリーマー
日本全国に選手がいて、プロであっても各地の大会に遠征しなければ実績は残せません。『大乱闘スマッシュブラザーズ』(以下、『スマブラ』)の競技シーンには地域の特色が残っており、関西勢は関西勢、関東勢は関東勢を応援したり、大会によっては地域別のチーム戦が行われます。『スマブラ』特有な所で言うと、大会が終わった後に選手が大会で使用する器材を片づけることですかね(笑)
2.大会運営
コミュニティにおいて、とても大事な部分を担っている方々ですね。これは持論ですが、こんなに日本全国にスタッフが点在しているコミュニティなんて他にないと思います。何かしらで「大会やイベント運営を経験したことあるよ」という人が全国にいることが特徴です。通常のゲームコミュニティだと公式大会があるのである程度ルールで縛られているんですが、スマブラコミュニティは全てが非公式大会なので、「何かしらで関わりたい」「自分でも関われるんじゃね?」と思う人がいっぱいいることが根源にありますね。
3.ライブ配信
『スマブラ』コミュニティでは、大会と配信は完全に別の組織で成り立っています。なぜかというと、大会と配信ではノウハウがまったく異なるからです。また、配信の利益を大会の規模を大きくする目的ではなく、よりよい配信番組を作るための機材購入に回すことができるのも別の組織だからこその利点だと思っています。『スマブラ』にはEGS、VGBC、オフ大会配信チャンネルなど多くの配信団体があり、情報共有の流れはありつつも、その中で競争する環境ができています。そのおかげで上位プレーヤーでは無い人の試合まで動画が残っていて、誰でもプレイを見返すことができます。
4.クリエイティブ
『スマブラ』コミュニティに関するクリエイティブは、大会関係者だけではなく、個人の方も多く活躍されています。選手のイラストを書いて応援している人もいれば、配信のアートワークやグッズ、大会ロゴのデザインを担当している方もいます。また、オフ大会の写真は運営が用意したカメラマンではなく、一般のカメラマンが趣味に近い形で撮影し、Xで公開していることも『スマブラ』コミュニティの大きな特徴です。
5.専門家
『スマブラ』コミュニティには、高所作業の免許を持っている方、電力管理の免許を持っている方、会場の設営図面を作る方、トーナメントのシードを設計する方など様々な専門家がいます。昔はこのような作業を勘でやってたんですが、コミュニティとして「自分でもやっていいんだ」という雰囲気ができたからこそ、どんどん自ら「できるよ」と声を上げてくれる方が増えてきました。『スマブラ』コミュニティにはこれまでにない仕事を生み出す人が数多くいます。
6.観戦勢
スマブラで観戦勢がここまで盛んになったのは実はけっこう最近のことです。人口で言えば現代はこの観戦勢がコミュニティの最大派閥でしょう。
ここ数年は観戦勢からプレイヤー・スタッフ等になった人も多いです。今はオフ大会では応援用うちわを作ったり独特な衣装で現地に来る方も居ます。ぜひ観戦勢を極める人にも出てきて欲しいです。
【プロフィール】
アユハ
東大卒のスマブラプレイヤー。国内最大級のオフライン大会 “ウメブラ” の立ち上げスタッフの一人。配信団体 “SHI-G” の設立者。
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